インド本格進出と他社へのけん制を兼ねて?
アップル、インド新店舗の周辺に「ハイテク他社は立入禁止エリア」を設ける
アップルは現地時間4月18日、インド初の公式ストアとなる「Apple BKC」(BKC=ビジネス地区と住宅地区「Bandra Kurla Complex」の略)店を大都市ムンバイにオープンする予定だ。さらにインドで2店舗目となる「Apple Saket」をデリーに、わずか2日後の4月20日に開店することも発表済みである。
このインド初のApple Storeにおける賃貸契約にて、近くに22社の競合ハイテク他社が広告や店舗を出すことを禁じていると明らかになった。
インドの経済メディアThe Economic Timesは、アップルが新店舗の入るショッピングモール「Reliance Jio World Drive Mall」の周辺にハイテク他社が立ち入り禁止エリアを設けたと報じている。この直前、やはりアップルがインド・ベンガルールでの新オフィス賃貸につき、家主にマイクロソフトやNetflixを含む12社のハイテク企業の立ち入り禁止にさせたとの記事もあった。
Apple BKC店のリース契約では、指定リストにあるライバル企業がモール内に店舗を構えることや、広告を出すことも許可しないという。このリストには22社が書かれており、そのうち21社の名前が明らかにされている。それは、アマゾン、BOSE、DELL、Devialet、Facebook、Foxconn、Garmin、Google、日立、HP、HTC、IBM、インテル、Lenovo、LG、マイクロソフト、Next、Panasonic、ソニー、東芝、Twitterである。
この中での気づきは、スマートフォンで競合するサムスンも、音楽サービスをめぐり確執あるSpotifyの名前がないことだ。その一方で、iPhoneの主要組み立て業者であるFoxconnがリスト入りしているのは興味深い。
かたやベンガルールの新オフィス契約では、サムスンとSpotifyともにリスト入りしていた。競合他社は11社が挙げられていたが、そちらはGoogleの親会社Alphabetや中国のXiaomi、ファーウェイ、Baiduやテンセントも載っている。
アップルは米中間での緊張の高まりや、台湾をめぐる地政学リスクを織り込んで、生産拠点と消費市場ともに中国からインドへ軸足を移そうとしているとみられている。インドでのApple Store新店舗やオフィスの拡張もその現れと思われるが、ライバル企業へのけん制も兼ねているのがアップルらしいと言えそうだ。
- Source: The Economic Times
- via: AppleInsider