他社製アプリを排除しているわけではなさそう

iPhoneでApple MusicをDLすると、操作していないのにドックへ登録されてしまうバグ

Image:Apple

iPhoneユーザーの間で、Apple Musicアプリをダウンロードしたところ、iPhoneのホーム画面下部によく使うアプリを登録する「ドック」に勝手に登録され、そこにあった他のアプリを追い出す現象が相次いで報告されている。

また一部では、SpotifyなどサードパーティのアプリをiPhone上のデフォルト音楽アプリに設定していても、Siriに音楽再生をリクエストした際、Apple Musicで再生されるケースも報告されている模様だ。

TechCrunchによると、この問題はiOS 15のいくつかのバージョンにまたがって発生しており、特に最近のOSのアップデートが原因でもないようだ。またiPhoneの特定の機種によるものでもないことが確認されているという。

この話題が広まるや、iOS版『Fortnite』にApp Storeを通さない独自の課金システムを導入しようとしたかどでアップルと激しい訴訟合戦を繰り広げているEpic Gamesのティム・スウィーニーCEOは、Twitterで自身もこの問題をiOS 15.4.1で確認したと述べ「明らかにアップルはこのようなことのためにOSを利用している」と主張した

ただ、ドックがApple純正アプリだけの場合に、Apple Musicアプリをダウンロードしたときも、やはりどれかひとつを押し出し、そこに割り込んだ例が報告されていることを考えると、スウィーニー氏の主張はやや過剰反応のようだ。

AppleInsiderは、ドック内のアプリのひとつとしてSpotifyのほかAmazon Music、Tidal、そしてApple純正の写真アプリを登録している状態で、Apple Musicアプリを再インストールするテストを実施してみたところ、いずれもがApple Musicに取って代わられたと報告した。つまり、これはサードパーティ製アプリを排除するために仕組まれた現象ではなさそうだ。

ではなぜそうなるのかという疑問に対して、AppleInsiderは、もともとiOSは出荷時の状態ではドックの一角にApple Musicをプリインストールしていることを指摘。ドックのアプリはユーザーが自由に入れ替えられ、削除もできるが、それを削除した後に再びインストールした場合、最初に配置されていた場所(つまりドック内)にインストールされるのではないかとの見解を述べている。

要するに、デフォルトでドック内に入っていたアプリには、再インストールのときもそこに自動的にインストールされているようプログラムされている可能性があるということだ。

もちろん、ドック内へアプリを再登録する動作は、ユーザーに対して優越的にそのアプリの使用を促すものと捉えられる可能性は否定できず、意図するしないにかかわらず、公平性の観点から好ましいことではない。アップルは複数メディアからの問い合わせに対し、この現象をバグとして認識しており、調査すると返答している。

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