OTAアップデートであとから対応
BMWの新車、あるべきAndroid AutoとCarPlayがない!原因はやっぱりあの問題
世界的な半導体不足の出口が見えないなか、自動車メーカーによっては顧客に無断でUSB端子などの部品を省略していることもある(具体的にはテスラのことだ)。
だが、BMWが一部モデルで、通常なら初期から使えるAndroid AutoとCarPlayをサポートしない状態(動作に必要なハードウェアは搭載しているが、まだソフトウェア的に対応していない)で出荷を開始したことが明らかとなった。
BMWの車両はAndroid Autoのサポートを始めており、2020年にはほぼ全てのモデルでフル対応している。しかし一部の顧客が、購入したBMWの新車がAndroid AutoまたはCarPlayに対応していないことに気づいたそうだ。
これを受けたBMWの声明によると、やはり半導体不足によるものだという。同社は車を予定通り顧客に届けるため、チップ供給元を変更し、まだAndroid AutoやCarPlayに対応していないチップを使うようになったと説明している。代替チップは「今年の最初の4ヶ月間に組み込まれた」と述べられており、1-4月に生産された車が該当するようだ。
さらにBMWは、これらの車には「遅くとも6月末までに」Android AutoとCarPlayを完全に機能させるOTAアップデートが行われる予定だとも約束している。つまり機能の欠落は一時的に過ぎず、あと2ヶ月待てば本来持つべきソフトウェアが追加されるというわけだ。
購入した新車が影響を受けるかどうかは、生産コードに「6P1」が含まれるかどうかで確認できる。BMWは該当するモデルの台数や地域を明らかにしていないが、オンラインフォーラムの投稿から米国、イタリア、スペイン、英国、フランス向けの出荷分だと推測されている。
BMWの新車を買った顧客はしばらくは少し不便な思いをしそうだが、それでも4ヶ月も待たされるより、予定通りに納車され、あまり重要ではない機能は後回しにするほうがマシかもしれない。
また、自動車の生産が半導体不足により逼迫しているのは、「チップを供給するサプライヤーが限られているから」というのも一因だろう。BMWが自動車と縁がなかったサプライヤーを1社加えたことが、やがて他の自動車メーカーにも波及するかもしれない。
その一方でAutomotive News Europeは、メルセデス・ベンツが特定のチップを車両に搭載していないまま出荷しており、顧客は後に部品が入手できるようになってから後付けできることを示唆したと報じている。それと比べれば、BMWの解決策の方が、はるかに合理的と言えそうだ。
- Source: Automotive News Europe