mini人気が根強いのは日本だけ?
“不人気”とされるiPhone 14 Plus、13 miniよりも遥かに売れている模様
昨年秋のiPhone 14シリーズでは、標準モデルに6.7インチの大型ディスプレイを搭載するPlusが加わった。だが、その売れ行きはアップルの予想を下回り、目標出荷台数が引き下げられ、増産が中止されたとの報道もある。また発売前から、米国での下取り価格が下がっていたとの調査結果もあった。
そのため、iPhone 13世代のminiモデルを復活させるべきでは?との声も聞こえてきた。しかし実際には、iPhone 14 Plusの売れ行きはiPhone 13 miniを上回っているとのデータが公開されている。
このデータは、ディスプレイ業界サプライチェーン調査会社DSCCが、過去12ヶ月間のiPhone向けディスプレイパネルの出荷量に基づき発表したものだ。同社CEOであるRoss Young氏はiPhone 14 Proモデルが常時表示対応となることや、iPad mini(第6世代)が8.3インチになる等、アップル未発表製品の画面情報については信頼性が高い。
それによると、iPhone 14シリーズのディスプレイパネル出荷量は、同時期のiPhone 13シリーズよりも2%多くなっている。そして過去11ヶ月間の比率では、iPhone 14 Pro Maxが36%でトップ、iPhone 14 Proが28%、iPhone 14が25%、iPhone 14 Plusが11%と続く格好だ。
さらにiPhone 13 Proと比べても、iPhone 14 Proの売れ行きが圧倒していることも示されている。4月までのiPhone 14 Proモデルの累積シェアは、iPhone 13 Proモデルの53%に対し、63%にも上る見込みだという。
最も興味深いのは、iPhone 13とiPhone 14のモデル別パネル出荷枚数の内訳だろう。
・iPhone 14対iPhone 13:36%ダウン
・iPhone 14 Plus対iPhone 13 mini:59%アップ
・iPhone 14 Pro対iPhone 13 Pro:22%アップ
・iPhone 14 Pro Max対iPhone 13 Pro Max:23%アップ
つまりiPhone 14 Plusがアップルの期待ほどには売れていないにせよ、それでもiPhone 13 miniよりも大幅に調子がいいことは確かなようだ。逆説的に、手のひらに収まりやすいminiモデルが少なくとも世界的には人気がなく、やはり大画面が好まれる風潮がうかがえる。
フラグシップiPhoneが4モデル構成となったのは、2020年のiPhone 12シリーズ以降のことだ。それ以前(2018年~)には標準モデル1つ+Proモデル大小2つだったが、12世代では標準モデルにminiが追加された。それが昨年のiPhone 14ではPlusに入れ替えられた形だが、やはり4つの「フラグシップ」は多すぎるのかもしれない。