セガのトップはNFTに慎重な姿勢を示したことも
「バーチャファイター」のコラボNFTが登場。監修は生みの親・鈴木裕氏
かつてセガで「バーチャファイター」や「シェンムー」シリーズを手がけた鈴木裕氏が、ゲーマー向けNFTプロジェクト「OASYX」第1弾の世界観を監修。さらに「バーチャファイター」シリーズ3作のキャラクターがコラボNFTとして登場することが発表された。
OASYXは、日本発のゲーム特化型ブロックチェーン企業Oasysが複数の大手ゲーム会社と提携して行うもの。「シリーズ毎にレジェンドクリエイターを監修として起用」と述べられており、鈴木裕氏もその1人として、第1弾のみ監修するかたちだ。
この第1弾ではキャラクターNFTが総計1万体発行され、このうち1,000体がバーチャファイターコラボ版になるとのこと。結城晶やパイ・チェン、ラウ・チェンからデュラルまで、初期3作でなじみ深い11キャラクターたちがOASYXの世界観とコラボする。
また、これらキャラクターNFTは「将来のメタバースアバターとしての活用も計画中」とも付け加えられている。「バーチャファイター」を保有するセガがIPをライセンス供与しているものの、同社自体は直接関与していないようだ。
公式声明のなかで鈴木裕氏は、「バーチャファイター」シリーズ3作を「私がセガ在籍時代にディレクターとして開発した、当時革新的だった3DCG技術を駆使した対戦格闘ゲームです」と振り返っている。実際、対戦格闘ゲームへの3DCG技術の投入は他社より先がけており、少なくとも商業的な成功作としては世界初と言っていいだろう。
さらに「私が監修をしたOASYXの独創的な世界観と、革新的な技術であるブロックチェーンを活用したNFTが、「バーチャファイター」シリーズ3作と融合することで、広くゲームファンの方々に新たなエンターテイメントを提供できることを期待しています」とのことだ。
プレスリリースでもセガが提携先として名前を連ねていないのは、以前からセガがNFTに興味を示しつつ、他社がNFTに関わった際に批判が集中した一件を受けて、慎重な姿勢を示していたことと無縁ではないだろう。
2021年末、セガサミーホールディングスの里見治紀CEOはNFTにつき「いろいろと実験していきたいと考えており、既に様々なスタディや検討を開始している」としつつも「現時点ではネガティブな反応を示すユーザーもいる」ことを認めていた。
さらに「ネガティブな要素をいかに軽減していけるか、日本のレギュレーションの中でどこまで導入できるのか」見きわめながらも、「ただの金もうけと思われてしまうようなものであれば、展開を見送るといった判断軸で考えて行きたい」と述べていた次第だ。
この発言から1年以上が経過しており、セガ社内で方針が変わった可能性もあるだろう。今回の「バーチャファイター」キャラクターNFTへのライセンス供与を通じて、ユーザーの反応を今後の判断材料とするのかもしれない。
- Source: PR TIMES
- via: Video Game Chronicle