原作ゲームは第2作が開発発表されたばかり
『デス・ストランディング』映画化決定。小島秀夫氏は監督ではなくプロデューサー
『メタルギア』シリーズで知られる小島秀夫氏率いるコジマプロダクションのゲーム『Death Stranding』の映画化企画が、ハリウッドで進行中だとエンタメ系メディアのDeadlineが報じた。
この企画はコジマプロダクションとホラー映画『バーバリアン』を制作した米Hammerstone Studiosの共同制作プロジェクトで、Hammerstoneの全額出資によるものだという。プロデューサーには小島氏と、昨年公開のホラー映画『バーバリアン』に携わっていたアレックス・ルボヴィッチ氏がそれぞれの会社を通じて参加。製作総指揮には、Kojima Productions USAおよびカナダの映画監督アラン・アンガー氏が携わる。
『Death Stranding』は、2019年にPlayStation 4向けにリリースされ、これまでに全世界で1000万人以上がプレイした大ヒット作だ。その舞台は謎の現象によって壊滅したアメリカ合衆国で、主人公はノーマン・リーダス演じるサム・ポーター・ブリッジズ。壊滅によって分断された地域・社会同士の繋がりを取り戻すため、主人公が必要な荷物を送り届けることで、次第に米国を再興していく…というもの。この作品ではノーマン・リーダスのほか、マッツ・ミケルセン、レア・セドゥ、ギレルモ・デル・トロ、マーガレット・クアリーといった俳優、映画監督らが重要な登場人物に分して登場する。
今回の映画化において、ストーリーはゲームとは異なるものになるようだが、その詳細はまだ示されていない。Deadlineは、この『Death Stranding』ユニヴァースに新しい要素と世界観が導入される、と伝えているが、おそらくまだ制作のごく初期段階であり、映画作品としての詳細情報が出てくるにはしばらく時間がかかりそうだ。
小島秀夫氏は、Deadlineが得たリリースのなかで「Hammerstone Studios との、今回の新しいパートナーシップにこれ以上ないほど興奮しています」「フランチャイズにとって非常に重要な瞬間であり『Death Stranding』を彼らと協力して大きなスクリーンで上映できるのを本当に楽しみにしています」と述べている。
またルボヴィッチ氏も「才能あふれるアイコニックな小島秀夫監督の、最初の映画化作品でパートナーを組む機会を得たことに興奮し、また光栄に思っています」「大きな予算を投入して作られる商業的大作のゲーム原作映画とは異なり、この企画ははるかに本質的で、地に足の着いた作品になります。(この作品における)私たちの目標は、創造的で芸術的な自由があれば、ビデオゲームの映画化がどのようなものになり得るかを、再考する機会にすることです。この映画は正真正銘の “小島秀夫作品” になります」とした。
小島監督は「僕の身体の70%は映画でできている」と述べるとおり、根っからの映画マニアとして知られている。映画からの影響はゲーム作品のなかでも、たとえばムービーシーンの構図やカット割りなどに見られる。
ちなみに先日開催されたThe Game Awards 2022では、小島監督本人が登場して、ゲームの続編となる『Death Stranding 2』の予告映像が公開された。『Death Stranding 2』はPlayStation 5向けとして制作されているが、前作が後にPCでもリリースされたことを考えると、今回もPC版がいずれ登場するものと思われる。発表の場では、小島監督が『DS2』のほかにもうひとつ「尖ったゲーム」を用意していることも明かしており「楽しみにお待ちください」と述べていた。