巨額の赤字を埋めるほどではなさそう
Twitterが本社備品をオークションに大量出品。鳥の巨大ロゴは25ドルから
Twitterはイーロン・マスク氏に買収されて以来、大量に従業員が解雇され、おかげで社内が広々しているとの噂もある。そのためか、本社にあった数十万ドル相当の備品をオークションに出品することが明らかとなった。
競売を支援する企業ヘリテージ・グローバル・パートナーズによる本オークションは、2023年1月17日(米現地時間)に始まり、翌18日に終了する予定。総出品数は800点以上で、ほとんどが事務機器や業務用の電化製品が占めており、しゃれたレストランに置いても違和感のなさそうなものばかりだ。
出品カタログにはオフィスチェアやデジタルホワイトボード、社内のエンジニアチームにラテを作ったエスプレッソマシンもある。ただし「Twitterブランド」の商品は、会社の象徴ともいえる木製の鳥と、巨大な “@” マークのプランターの2つだけだ。
このうち後者は「現在は人工観葉植物だが、本物の植物を植えられる」とのこと。どちらも、開始価格は25ドルである。
シリコンバレーにあるハイテク企業は、一般的に豪華な従業員用アメニティを備えていることで知られている。Twitterも例外ではなかったが、今回のオークションは贅を尽くした施設の一端が分かる窓になっており、また新たなオーナーのマスク氏が社内文化を塗り替える意図も反映しているようだ。
たとえばキッチン用品の中には、市販価格2万ドル以上のラ・マルゾッコ社製エスプレッソマシン「strada」もある。ほか1万ドル以上の高級手動式ミートスライサーや業務用野菜乾燥機、1万7000ドルの業務用煮込み鍋もあるが、これらも開始価格はすべて25ドルである。
これらの備品を底値で手に入れることは、おそらく不可能だろう。わずか1日の期間ではあるが、全世界が注目していることから高騰は必至であり、Twitterも少なからずの現金を手にすることにはなりそうだ。しかし、マスク氏が「倒産もあり得ないことではない」とするほどの損失を埋め合わせるには至らないようだ。
もっとも、マスク氏もTwitter本社の内装を換金するだけではなく、新たな投資もしているようだ。「ハードコアに働け」と命じた従業員が寝泊まりできるよう、ベッドなどを持ち込み社内の一部をホテルの寝室のように改造しているのだから。
もっとも、この改造は建築基準法に違反している可能性があるとして、サンフランシスコ市の建築物検査局は調査中である。マスク氏は「市は、疲れた従業員にベッドを提供する企業を攻撃している」として反論したとも伝えられている。
- Source: Heritage Global Partners
- via: MOTHERBOARD