より現実に近い自動運転シミュレーションが可能に

EVメーカーRivian、ゲーム向け3Dワールド生成AI開発企業を買収。自動運転に応用へ

Munenori Taniguchi

Image:Rivian

米国の電気自動車メーカーRivianは、AIを使って画像や動画をリアルな3D世界に変換する技術を開発する英国のスタートアップ企業 Third Dimensionを買収した。

Third Dimensionはゲームの開発を加速させるための技術を開発していた。だが、Rivianは別にゲーム開発に参入するつもりではない。

Rivianが目論んでいるのは、同社製EVから収集される1日あたり40万件以上もの運転データと、Third Dimensionの技術を組み合わせた、自動運転システムのトレーニングと検証のためのシミュレーション環境を構築することだ。

Third Dimensionのプラットフォームは、AIを活用し、現実世界のデータを詳細かつ制御可能な3Dの仮想環境に変換する。エンジニアは生成された環境のなかで様々な運転状況を再現し、そのバリエーションを作成できる。最終的な出力は、自律走行システムのトレーニングや動作確認のための合成データ(シミュレーションで生成されたデータ)となる。

Image:Third Dimension

Rivianの自動運転・AI担当副社長であるジェームズ・フィルビン氏は、3D環境の生成に使用されるデータは数万台からなるR1T、R1S、R2、および外部カメラ共有を有効にしている同社製の配送バンからすべて匿名化された状態で収集され、利用されると述べている。

ゲームの技術を自動運転開発に活用することは特に珍しいことではない。ほとんどのドライビングシミュレーターは、ゲームエンジンをベースに、合成された空間データを使って構築されている。ただし、Third DimensionのCEOトルガ・カート氏によれば、これまでシミュレーションに使用されてきた仮想空間の見た目と、実際の道路の挙動には常にギャップがあったとのことだ。

その点、Third Dimensionの技術は現実世界に合致した仮想空間を構築することに長けており、これとRivianのデータを組み合わせることで、道路上で稀にしか発生しない「例外的な状況」を含む、複雑な状況を再現することが可能な、非常に価値のあるシミュレーターが構築できる可能性がある。

これは、現在RivianがUber向けに開発を進めている自動運転車R2にとっても、乗客を乗せて走行するようになるずっと前から、稀なシナリオを大規模にリハーサル可能とする重要なツールとなるだろう。

なお、今回の買収によって期待されるメリットは、依然として将来を見据えたものであり、いますぐに効果が現れるというものではない。Rivianの発表でも、技術の統合や、自動運転機能の開発進歩、ソフトウェア開発、車両検証のタイムラインなどは、様々な要因が含まれるとして明確には示されていない。

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