メモリ増設やPC買い替えの負担が減りそう

メモリ8GBでもまだ使えるかも。マイクロソフト、新しいアップデートでWindows 11の応答性が最大20%向上すると述べる

多根清史

Image:dennizn/Shutterstock.com

マイクロソフトは、Windows 11 26H2のビルド26300.9550 で、システムの応答性を最大20%向上させ、メモリ容量が8GB以下のPCでも効率的に動作するよう、メモリ管理を最適化したと発表した。

Windowsエクスペリエンス部門のコーポレートバイスプレジデント、ナヴジョット・ヴァーク氏が公式ブログで明らかにした。今回の改善は、スタートメニューやエクスプローラー、検索など、日常的によく使われる機能の操作性向上を目的としている。

マイクロソフトは、Windows 11 26H2 ビルド26300.9550と、同25H2ビルド26200.7628の応答時間を比較した。その結果、スタートメニューの表示やエクスプローラーでのファイル閲覧、システム内検索、設定の変更、右クリックメニューの表示などで応答時間が短縮されたとしている。ただし、実際のパフォーマンスはデバイス構成や使用状況によって異なる。

最も大きな変更は、メモリ容量が少ないPCに向けた最適化だ。メモリ管理とリソース利用の効率化により、従来より最大2GB多くのデータをメモリ上に保持できるようになり、低速なストレージへのデータの退避を抑制できるようになった。これにより、多数のアプリやブラウザータブを開いたままでも、アプリ切り替え時のもたつきを低減できるという。

さらに、メモリ容量が8GB以下のPCでは、バックグラウンドでウィジェットを事前に読み込まない仕様となった。これにより、起動時に200MB以上の空きメモリが増えるとマイクロソフトは説明している。

こうした改善は、Windows部門の責任者であるパヴァン・ダヴルリ氏が今年3月に表明した、リソース消費の削減や低メモリ環境での動作最適化といった取り組みの一環だ。

公式ブログではこのほかにも、フォトアプリの刷新による起動速度の最大20%向上や、AirPodsのペアリングにかかる時間は最大15秒短縮されたこと、Windows Helloによる顔認証および指紋認証でも速度と信頼性が向上したことなどが挙げられている。

ゲーム関連では、『Forza Horizon 6』『Gears of War: E-Day』などのゲームで、事前コンパイル済みシェーダーの配信により、初回ロード時間が短縮されるとしている。ただしこれは対応タイトルや利用環境によって異なる。

今回の改善は、あらゆる処理を一律に高速化するものではない。特に、4K動画編集やローカルAIモデルの実行といったメモリを大量に必要とする用途では、8GBという物理メモリ容量の制約は残る。

それでも、スタートメニューの表示やアプリ切り替えなど、日常的な操作のもたつきが軽減されれば、普段使いのPCがより快適に扱えるようになる可能性がある。

AIデータセンター需要の急増により世界的にDRAMが不足・高騰しているため、現在のPCにメモリを増設したり、新しいPCに買い替えたりする際の金銭的な負担は増している。

今回の改善は、メモリ容量の少ないPCでも一定の快適さを確保し、買い替えずに使い続けられる可能性を提供するという点で、多くのユーザーに歓迎されそうだ。

関連キーワード: