新CEO体制移行に伴うアップル上級幹部の交代も、今後あるかも
ティム・クックCEO、アップル全従業員に感謝伝える退任メッセージ。後任ターナス氏には「これ以上ないほど期待」

アップルのティム・クック氏は、15年にわたり務めてきた同社CEOの座から退き、後任のジョン・ターナス氏へ経営を引き継いだ。
そのCEOとしての最終日となった8月31日、クック氏は全従業員にメッセージを送り、ターナス氏に経営の舵取りを託せることには「大きな安心感を覚える」と語ったとBloombergが報じている。
クック氏は2011年8月、スティーブ・ジョブズ氏の後任としてCEOに就任した。その間には、Apple WatchやAirPodsなどの新製品を発売し、アップル全体の売上高も大幅に拡大した。アップルの時価総額は就任当初の約3470億ドルから約4.6兆ドルへと、約13倍にまで膨らんだ。
全従業員に宛てたメッセージで、クック氏は「アップルを去るわけではないが、深く愛してきたCEO職から退くことにした」と説明。そして後任のターナス氏について、「世界を変える製品を作るために何が必要なのかを、ジョンほど理解している人はほとんどいない」「彼のリーダーシップに、これ以上ないほど期待している」と称賛している。
ターナス氏は2001年にアップルへ入社し、プロダクトデザインチームに所属。2013年にハードウェアエンジニアリング担当副社長、2021年には同部門の上級副社長(SVP)に就任し、iPhone、iPad、Mac、AirPodsといったアップルの主要ハードウェア製品の開発を統括してきた。
米TechCrunchは、ターナス氏がトップに就くことについて、アップルが次の時代にハードウェアと製品開発を再び前面に押し出すことの表れだとみている。すでにターナス氏の下では、超薄型モデルのiPhone Air、低価格のMacBook Neo、聴覚の健康をサポートする機能を備えたAirPodsなど、新機軸のハードウェアが送り出されてきた。また最近では、AI需要を背景に、新型Mac miniとMac Studioが例年より早い時期に発売されている。
Bloombergが報じたクック氏のメモには、AIやサービスなど、アップルの今後の具体的な方針についてはほとんど語られていない。その代わり、自らがアップルを率いる機会を得たことへの感謝を述べつつ、「自分たちが作るものが重要であり、世界をより良い場所にする機会と責任の両方を持っているという信念を共有する」企業文化こそが重要だとした。
クック氏は9月1日付でCEOを退任し、今後も取締役会長としてアップルに留任し、トランプ米大統領や中国政府などとの関係を含む、政治的な面での役割を引き続き担う見通しである。
クック氏はアップルコミュニティに対してもXを通じて次のようにメッセージを送った。
「CEOとしての最後の日に、アップルコミュニティの皆さんにたくさんの愛を送る。明日、私の肩書は変わるが、アップルコミュニティへの愛が変わることは決してない。いつもインスピレーションを与えてくれてありがとう。感謝してもしきれない。次の章が楽しみだ!」
なおBloombergは、ターナスCEOが近く、ハードウェア、マーケティング、小売、人事を担当する上級幹部の人事を行う可能性が高いと指摘している。
ちなみに、8月31日にはクック氏だけでなく、アップル・フェローとしてApp Storeとアップルのイベントを統括してきたフィル・シラー氏も、それらのその役割から退くことを発表した。シラー氏もアップルをすぐに去るわけではなく、今後は「具体的な内容はまだ決まっていない」何らかの取り組みに携わると述べている。
今後は、App Storeの運営はエディ・キュー氏が監督するサービス部門に移管されるとのことだ。
- Source: Bloomberg(1) (2)
- via: TecCrunch
