中国IT大手ファーウェイも値上げを受け入れ

アップルのメモリ値下げ交渉、中国CXMTが拒否。iPhone 18 Pro値上げに現実味

多根清史

Image:Linaimages/Shutterstock.com

中国のメモリメーカーCXMTが、価格引き下げを求めたアップルとの交渉を拒否したと報じられている。これに先立ち、アップルは米国外で販売する自社製品向けにCXMTから調達できるよう米政府に許可を求めて働きかけたとの報道が相次いでいた。

韓国メディアのDigital Dailyの情報筋によると、アップルはメモリ調達コスト削減のためCXMTと価格引き下げの交渉をしたが、CXMTに拒否されたという。CXMTは韓国勢のサムスンやSK Hynixと同等かそれを上回る水準を譲らないとのことだ。

そうした強気の背景には、ひとつにはファーウェイやXiaomiといった中国IT大手からの強い需要があるという。米国による対中制裁が続くなか、両社はCXMTのDRAMメモリ生産分を高額な長期契約を通じて事前に確保しているとのこと。そうした有利な状況では、CXMTはアップルの要求に応じる理由がないとされる。

これに先立ち、ファーウェイもメモリ高騰が続くなかCXMTに値下げを求めたが拒否されたとの報道もあった。やはり中国メモリ大手のYMTCも同様の動きを取る計画だという。中国メモリメーカーには、他にも韓国の競合他社よりも高い代金を請求する企業もあると伝えられている

さらに、この一件は従来の「安い中国製品を引き合いに出して、他社との交渉材料にする」という当て馬的な調達手法が、少なくとも汎用DRAM市場では通用しなくなったことを示しているという。メモリ市場全体で需給の不均衡が加速するもとでは、主導権はIT大手企業からメモリメーカーへ完全にシフトしたとの見方もあるとされる。

韓国サムスンやSK hynixは汎用DRAM生産ラインの大部分を高付加価値のAI向けHBMに転換している。その結果、汎用DRAM市場に供給の空白が生まれ、CXMTなど中国メーカーはそこに入り込んだ形である。もちろんメモリ不足は中国IT大手にも及んでおり、アップルがCXMTにアプローチした頃にはDRAM価格は高止まり、値下げの余地はなくなっていたという流れだ。

どれほどコストが高くなったとしても、アップルとしては十分な量のメモリを確保せざるを得ないはずだ。今年秋に発売とみられる「iPhone 18 Pro」の大幅値上げは、やはり避けがたいのかもしれない。

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