人気脱出シューター『ARC Raiders』、批判受けAI音声を声優に差し替え

Munenori Taniguchi

Image:Emberk Studios

人気のPvPvE形式脱出シューティングゲーム『ARC Raiders』を開発するスウェーデンのEmbark Studiosは、同作中の一部に使用していたAI生成音声による台詞を、声優の実演音声に差し替えたことを明らかにした。

Embarkは他にチーム対戦シューティングゲームの『The Finals』も手がけているが、両方の作品で一部の音声にAIで生成したセリフを使用しており、そのせいで、作品のためにセリフの収録を担当した声優への支払いを少なくしたり、声優の音声をAIに置き換えているのではないかといった懸念が提起されていた。

しかし同スタジオのCEOパトリック・ソーデルンド氏は、GamesIndustry.bizのインタビューのなかで、そのような事実はないと断言した。

同氏は「私たちは、声優の方々が録音ブースで過ごした全ての時間に対して報酬を支払っており、ゲームのアップデートを続ける中で、多くの声優の方々に引き続きご協力いただいています」と説明。「また――主にPingシステムの音声など――ゲームプレイの没入感にそれほど重要ではないセリフなど、特定の用途においては、AI生成の声をテキスト読み上げ技術で使用する許可を得るとともに、別途ライセンス料も支払っています」と述べた。

また、ソーデルンド氏はARC Raidersでは、「リリース後に一部のセリフを本物の声で再録音し、収録しました」と述べ、ゲーム内のセリフの多くの部分でリリース当初に比べAI音声は減っているとした。またそうしている理由について「プロの声優のほうがAIよりも優れているのは紛れもない事実」だとし、AIはあくまで制作のためのツールとして捉えていると述べている。たとえば、ある目的のための音声を収録するとき、そのセリフ候補が15種類もあるような場合、AIでそれらを実際に試すことで、どれにすべきかを決定しやすくなるとのことだ。ソーデルンド氏は「これは私たちの仕事の進め方のひとつであり、俳優に取って代わるようなものではありません。我々は、必ずしも人間をAIで置き換えるべきだとは考えていません」と語っている。

ARC Raidersは昨年10月にリリースされたのち徐々に人気を博し、年末にはSteamだけでも50万人近くの同時接続プレイヤー数がいた。しかしその後のAI音声疑惑に拒絶反応を示すプレイヤーもいたようで、現在の人気はやや落ち着いてきている。

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