RAMの品薄はまだまだ解消されそうにありません
いまやPC部品コストの1/3以上がRAM。「前年比約2倍に高騰」とHP幹部

メモリメーカーがAI企業のデータセンター建設需要を優先しているため、コンピューター用メモリのコストは急上昇している。PCメーカーのHPによれば、いまや同社製PCの価格のうち35%がRAMのコストになっているとのことだ。
HPの最高財務責任者(CFO)カレン・パークヒル氏は、決算説明会の場で「前四半期にはメモリとストレージコストがPC部品原価の約15~18%を占めると報告したが、現在の年間推定値は約35%だ」と述べ、対応策として同社PC製品の値上げ措置を実施することを確認した。
すでにPC価格の上昇は常態化しており、今年に入ってのメモリ不足は「RAM crisis(RAM危機、メモリ危機など)」と呼ばれるようになっている。HPのブルース・ブラウサード暫定CEOは、市場は時が経つにつれ落ち着いていくと信じているとしつつ、新規パーツ供給元の開拓や低コストでの調達を拡大すべく最善を尽くしていると述べている。
ただ、HPの収益にはまだRAM危機は影響を与えていないようだ。HPのパーソナルシステム部門は、売上高が前年比11%増の103億ドルに達したと報告した。個人向けPCの売上は14%増、法人向けPCの売上は9%増加している。
AIに関連しては、HPは最新のPC売上高のうち35%がAI搭載PCを購入していると述べ、そのPC需要そのものは伸びているとの考えを示した。ただし、ライバルPCメーカーのDELLは、消費者はAI搭載PCにはあまり興味を示していないと述べていることから、HPが言う35%のPC購入客が「AI搭載」を重視して機種選びをしたのか否かには疑問も残る。
いずれにせよ、AIブームは世界のメモリを食い潰しており、Micronのように消費者向けメモリブランドを放棄までしてAI需要に全振りするメモリメーカーも現れている。
日本国内におけるPC用DDR5メモリモジュール市販価格の一例では、16GB2枚セットが昨年10月ごろには1万5000円前後だったが、今年1月には8万円を超えるピーク価格を付けた。ただ、2月後半にはやや価格は落ち着き6万円台にまで下がりつつある。
下落の兆しは日本だけでなく、ドイツなど一部の市場でも同じようにみられる。ただし、この減速は全体のRAM需要が一段落したのではなく「パニック買い」による価格上昇の時期が過ぎたためとみられている。
AIを利用するのはAI企業ではなく、PCやスマートフォンなど、コンピューティングデバイスを購入した消費者であるはずだ。メモリメーカーには、消費者がデバイスを購入できなければAIの利用も減ってしまうことを、いま一度思い出してもらいたいところだ。
- Source: Yahoo Finance
- via: Engadget PCWorld
