終了する可能性も…?
Blue Originが「宇宙観光業」停止。少なくとも2年間、月面着陸機を開発するため

米Amazonの共同創業者で大富豪のジェフ・ベゾス氏が設立した宇宙ロケットベンチャーのBlue Originは、 今後は有人月面技術の開発にリソースを投入し、少なくとも2年間は乗客を無重力状態体験付き準軌道飛行に送り込む宇宙観光事業を停止する。同社はつい数週間前にも6人の人員を宇宙に送り出したばかりだ。
Blue Originは、NASAがアルテミス計画で使用する有人月面着陸システムの開発をSpaceXとともに受注した企業である。同社が開発する着陸船「Blue Moon」は、アルテミス3号およびアルテミス5号ミッションで(中国に先を越されていなければ)50数年ぶりに人類を月に降り立たせる役目を担うことになるかもしれない。
当初は、Blue Moonが飛行士を乗せて月に着陸するのはアルテミス5号が最初になる予定だった。しかし昨年11月に、アルテミス3号で月着陸船を提供する予定のSpaceXが、第3世代Starship用Super Heavyブースターの試験中に爆発的なガス漏れを起こしたことで計画に大きな遅延が生じる見込みとなったため、NASAはBlue Originに「プランB」用の着陸機の開発を依頼した。
Blue Originのデイブ・リンプCEOは社内宛のメールで「私たちは、月への再進出と恒久的かつ持続的な月面拠点の確立という国家の目標に貢献できる、またとない機会を得ている」とし「ニューグレンを含む有人月面探査能力のさらなる加速に向けて、人員と資源を投入していく」と今後の方針を伝えた。
また、Blue OriginのNew Shepard担当上級副社長フィル・ジョイス氏は、チームが多くの人を安全に宇宙へ送り、ニューグレンロケットの着陸に使用された技術を実証したとし、「このプログラムは、当社の将来の成功の基盤を築いて来た」「われわれは皆、共に成し遂げたことを誇りに思うべきだ」と述べた。
現在、NASAは中国との間で月の有人着陸探査実現を競っている状態にある。トランプ大統領は、自分の任期中にアルテミス3号ミッションでこれを実現させたい意向であるとされ、Blue Originが月着陸船の開発をSpaceXと競うことでの開発促進が期待される。
今回、Blue Originは宇宙観光事業を一時停止すると述べた。だが、月着陸船開発への開発のリソース集中で、SpaceXとの競争が激しくなれば、実質的に宇宙観光事業を継続することは難しくなるだろう。だがリンプCEOは、ジェフ・ベゾス氏によるこの決定が、New Glennロケットでの飛行頻度向上と、貨物および有人月面着陸船の実現に向けた同社の取り組みを加速させることを意図していることを強調している。
NASAは早ければ2月8日にも有人での月軌道周回探査を行うアルテミス2号を打ち上げる予定だ。
- Source: Blue Origin
- via: Ars Technica Engadget
