サバも乱獲で年々高くなっています
オメガ3脂肪酸をウイスキー製造時の大麦カスから生産する技術。CO2排出削減効果も

スコットランドのバイオテクノロジー企業MiAlgaeが、ウイスキー製造で使われる大麦のカスから、オメガ3脂肪酸を製造する技術を開発した。
オメガ3脂肪酸とは、DHA(ドコサヘキサエン酸)、EPA(エイコサペンタエン酸)、α-リノレン酸などを含む不飽和脂肪酸の一種だ。これらの成分は、血流の改善や中性脂肪の低下をはじめ、認知機能の改善(DHA)や抗炎症作用(EPA)などの健康効果をもたらすと言われ、ドラッグストアやスーパーに行けば、これらの成分を含む商品をいくつも見つけることができる。
サバやイワシなどの青魚に多く含まれることが知られているオメガ3脂肪酸。だが、実はこれを生成しているのは青魚ではなく、餌とともに摂取する海藻類が作り出したものが、食物連鎖によって青魚に摂り込まれたものだ。
近年はサバなどDHAが豊富とされる青魚も漁獲量が減少しており、代替となる生産方法が求められている。
そしてそんななか、MiAlgaeはスコッチウイスキーの原料である大麦の廃棄物を利用して、魚由来のオメガ3脂肪酸に代わる植物由来の低炭素代替品を製造しはじめた。
MiAlgaeは特別に設計した発酵タンク内に「栄養豊富な大麦の残りカス」を入れ、オメガ3を産生する藻類のエサとすることで、オメガ3を大量に体内に含む微細藻類とする。そして、この藻類を取り出して乾燥することで、大量の製品に添加することが可能になる。
魚由来成分を含まないオメガ3は、これまで魚アレルギーなどのせいでオメガ3を含むサプリメントを摂取できなかった人に向けた商品展開を可能とする。
まずオメガ3成分を含むペットフードや商業用の魚養殖飼料の製造が計画されており、スコットランド中部の街グランジマスに、2026年第2四半期の稼働開始を目標とする工場の建設が始まっている。
この工場が稼働すれば、同社のオメガ3脂肪酸の生産量は10倍以上に増加するという。さらに、海洋由来のオメガ3を代替することで年間60億匹の魚を救い、ウイスキー3610万リットルの製造で出る廃棄物をリサイクルすると報告されている。
MiAlgaeはこれまでに、CO2排出量換算で210万トン相当を削減し、ウイスキー副産物6億3900万リットルを活用して天然魚160万トン分を代替したと主張している。
