エンタープライズグレードを求める顧客向け

ジェフ・ベゾスのBlue Origin、Starlink競合の宇宙インターネット「TeraWave」発表。最大6Tbpsうたう

Munenori Taniguchi

Image:Blue Origin

Amazon共同創業者で、ジェフ・ベゾス氏の航空宇宙企業Blue Originは、最大6Tbpsの超高速インターネット接続を提供するとうたう衛星コンステレーションによるインターネット接続サービス「TeraWave」を発表した。

TeraWaveは地球の低軌道(LEO)および中軌道(MEO)に合計5408基の通信衛星を投入し、「信頼性の高い接続を必要とする数万の企業、データセンター、政府機関のユーザーにサービスを提供」するとうたっている。

衛星コンステレーションサービスといえば、イーロン・マスク氏のSpaceXが提供するStarlinkがよく知られている。Starlinkは、軍・政府機関向けに「機密ペイロードをホストし、データを安全に処理するために、さらに高信頼の暗号化機能を使用することで、最も厳しい政府要件を満たす」とうたう「Starshield」サービスを提供している。

今回Blue Originが発表したTeraWaveは、このStarshieldサービスの直接のライバルになる可能性がある。Blue Originは規制当局への提出書類の中で、「TeraWaveは、民間、防衛、国家安全保障といった政府機関のユーザーに、その活動場所を問わず、安全で大容量のサービスを提供するために開発されました。これらのユーザーは、接続の喪失によって最も深刻な影響を受ける可能性があります」と述べている。

ただ、Starlinkが9000基以上の衛星を軌道に投入し、約900万人の顧客を得ているのに対して、TeraWaveは発表資料の中で、約10万人の顧客をターゲットとしていることを示すグラフを提供している。

また興味深いのは、TeraWaveが超高速通信を無線信号ではなく「光リンク」で提供すると述べている点だ。これはレーザー光による通信を採用することを示唆しており、低軌道と中軌道に配置される5408基の衛星のうち128基が中軌道で最大6Tbpsの速度を実現するという。そして、残りの5280基の低軌道衛星が衛星通信用の新しい周波数であるQ/V帯を通じて最大144Gbpsの速度を提供する。

衛星コンステレーション構築には、頻繁な通信衛星の打ち上げが必要になる。そのためには、コストのかかるロケット打ち上げに、SpaceXのような再利用可能なロケット機材を導入することが重要だ。Blue Originは昨年1月、大型ロケットNew Glennの打ち上げに成功したものの、そのロケットブースターを再利用のために回収することには失敗した。だが同11月には、NASAの宇宙船2機の打ち上げを成功させ、同時にブースターの地上への着陸、回収にも成功している。

Blue Originは、「TeraWaveコンステレーションの展開は2027年第4四半期に開始される予定」と述べている。 

ちなみに、ベゾス氏関連としてはAmazonも、独自の衛星通信サービス「Amazon Leo」を提供している。だが、Blue OriginはTeraWaveとAmazon Leoは「別のプロジェクト」であり、TeraWaveはあくまでエンタープライズグレードのインターネットアクセスを求める顧客にフォーカスするものだと説明している。当局へ提出した書類では「ルートの多様性を高め、単一障害リスクを低減し、米国および国際データ転送ネットワーク全体の耐障害性と容量を強化する」としている。

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