日本には関係ないかも

アップルカード引き継ぎ先のJPモルガン・チェースに逆風。利益減の一因に

多根清史

Image:sdx15/Shutterstock.com

先週、アップルは長らく噂されてきた事実を正式に認めた。自社ブランドのクレジットカード「アップルカード」の発行会社が、ゴールドマン・サックスからJPモルガン・チェースへ切り替わるというものだ。実際の移行は約2年後とされているが、すでにこの動きがチェースの業績にマイナスの影響を及ぼしていると報じられている。

The Wall Street Journalの報道によると、チェースは2025年第4四半期の利益が前年比で7%減少したという。要因の一つが、アップルカード事業の引き継ぎに伴うコストである。具体的には、約200億ドルのカード残高に対する将来の貸倒リスクを見込み、22億ドルの追加引当金を計上した。これにより、四半期利益は1株当たり60セント押し下げられたとされている。

アップルカードは消費者からの人気こそ高いものの、元の発行元であるゴールドマン・サックスにとっては成功した事業とは言い難い。実際には大きな損失源となっており、過去には多額の財務負担を生んできた。2022年1月から9月までの期間だけでも、税引前で12億ドル以上の損失を計上し、新規顧客1人を獲得するために約350ドルを投じていたとの報道もある。

こうした経緯を踏まえると、なぜチェースがアップルカードを引き受けることに同意したのか、疑問を抱かざるを得ない。チェースはApple Payの初期パートナーの一社であり、アップルカードも同社が利用しているMastercardネットワーク上にあるなど、一定の関係性は存在する。しかし、収益面での明確なメリットは現時点では見えにくい。

顧客に人気の高利回り預金サービスが廃止されるのではないかとの予想も一部で出ているが、現時点でアップルは「通常通りカードを引き続き利用できる」として、既存ユーザーへの継続性を強調している。詳細については、チェースへの移行時期が近づいた段階で改めて明らかにするとしている。

なお、アップルカードはサービス開始以来、一貫して米国限定で提供されており、米国外では展開されていない。国際展開を行う場合には各国の発行会社との提携が必要となるため、今後も日本で提供される可能性は低いと考えられる。

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