カラフルなカラーも魅力的

「日本語表記」がこれほど心強いとは。“日本向け”ポータブル電源、BLUETTI「AORA 100 V2」レビュー

安蔵靖志

BLUETTIが2025年7月に発売した「AORA 100 V2」

アウトドアで家電製品を使えることから注目が高まったポータブル電源だが、各地で地震などの災害が発生することから、防災用途としての注目度も急速に高まっている。

ポータブル電源選びで最も重要なのは「容量」だが、大容量であるほど大きくて重くなり、日常使いには適さなくなってしまう。そこでおすすめしたいのが、1000Wh前後の “スタンダード大容量モデル” だ。

今回はポータブル電源の注目メーカー、BLUETTIが日本向けモデルとして投入した「AORA(アオラ)」シリーズの大容量&高出力モデル「AORA 100 V2」を紹介しよう。

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蓄電池システムの自社ブランドとして2019年に誕生したBLUETTI

BLUETTIブランドは日本ではまだ知名度が低いものの、実は多くの実績を持つメーカーだ。親会社であるパワーオークグループはポータブル電源や蓄電池システムの研究開発・製造・販売を手がける企業として2009年に中国・深センで創業した。

当初は相手先ブランドの製品を製造するOEMメーカーとしてポータブル電源の研究・開発・製造を手がけてきたが、2019年に自社ブランドとしてBLUETTIを投入。現在は一般消費者や企業向けの製品の製造販売を手がけている。バッテリー制御システムや太陽光発電システム、風力発電システムなどの研究開発も手がけており、常に最先端を走り続けてきたメーカーなのだ。

BLUETTIは業界基準に基づいた安心・安全なポータブル電源の普及に努める一般社団法人日本ポータブル電源協会に加盟しており、BLUETTIのポータブル電源は一般社団法人防災安全協会によって正式に推奨されている。

自社工場で厳格な生産管理を行っており、一般的な基準よりも厳しいテスト基準で製品を設計している。そうしたこともあり、事故につながる発熱・発火は、グローバルで一度も起こしたことがないとのことだ。

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日常から災害まで、“ちょうどいい大容量”のAORAシリーズ

「日本の青空」をイメージしたネーミングを持つAORAシリーズは、日本のユーザーのニーズやライフスタイルに合わせて設計された日本専用モデルだ。

従来のBLUETTI製品はグレーを基調にしたデザインが中心だったが、AORAシリーズはミントグリーンやペールピンク、スカイブルーといった軽やかなカラーバリエーションを揃えている。

ラインアップは容量128Whの「AORA 10」から288Whの「AORA 30 V2」、768Whの「AORA 80」、今回紹介する1024Whの「AORA 100 V2」など、コンパクトな小容量から持ち運びやすい大容量までラインアップしている。日常時はもちろん、非常時にも役立つ “フェーズフリー” タイプのシリーズと言える。

冒頭でも紹介したが、ポータブル電源選びは最適な製品を選ぶのは決して容易ではない。というのも、「災害時の備え」と「アウトドア用途などの日常使い」では最適な容量が大きく異なるためだ。

災害時の備えなら2000Whや3000Whといった大容量モデルがより安心だが、重すぎて車のトランクに載せるのも一苦労、日常使いには役立たなくなってしまう。決して少なくない金額を出してポータブル電源を購入するのであれば、平常時でも使えるサイズ・重さと容量を持つ製品がいい。

そういう点でぜひおすすめしたいのが、今回紹介する「AORA 100 V2」だ。AORA 100 V2は女性でも持ち運べる重さなので取り扱いやすい。2000Wh、3000Whといった超大容量モデルを1台買うよりは、ポータブル電源を買い増す方が使い勝手がいいはずだ。では、その使い勝手について詳しく紹介していこう。

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前面から背面まで日本語表記で分かりやすい

AORAシリーズの大きな特徴は、日本市場のユーザーの声を反映させたという点だ。前面にある端子部の表記に加えて、背面のスペック表記や警告表示なども含めて日本語化されている。

今回試用したのは、AORAシリーズの中で2番目に容量が大きい「AORA 100 V2」だ。容量は1024Whで、バッテリーには安全性や耐熱性が高くて長寿命なリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを採用している。出力は一般的なポータブル電源よりも大きい1800Wで、電力リフト機能によって最大2700Wまで利用できるのが特徴だ。

「AORA 100 V2」

AORA 100 V2は、2025年3月に発売した「AORA 100」のリニューアルモデルという位置付けになる。AORA 100の1152Whに比べるとわずかに容量は小さくなったものの、AORA 100の340W×317H×247Dmm/約16.4kgに対して、AORA 100 V2は320W×250H×215Dmm/約11.5kgと大幅な軽量化を実現した。決して軽くはないが、成人男性なら片手で持てる重さと大きさだ。

前面にはAC出力端子×4、USB Type-C出力端子×2、USB-A出力端子×2、シガーソケット出力端子×1、DC出力端子×2に加えて、ソーラー充電に用いるDC入力ポート(XT60端子)を備えている。全体的に日本語表記がなされているので、迷わず使えるだろう。

背面には、AORA 100 V2のスペックに加えて使用上の注意が日本語で表記されている。今回試用したミントグリーンのモデルは色鮮やかで、文字も読みやすい。日本語表記は日本のユーザーに優しく、デジタル機器に慣れていない人でも安心感があるのではないだろうか。ちなみに、AORAシリーズではミントグリーンが最も人気で、販売台数のうち約7割も占めるほどだという。

本体天面後方は手で持てるようにハンドルになっている。片手で持つときには斜めになってしまうものの、天面に広いスペースが確保されているため、スマートフォンなどを置いて充電する際に便利だ。

背面にはスペックや使用上の注意が日本語で表記されている。上部には手で持てるようにハンドルになっている

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さまざまな家電やデジタル機器に同時に給電できる

先ほども紹介したように、数多くのAC出力やUSB出力端子を備えているため、一度に多くの家電やデジタル機器に給電できる。災害時には特にスマートフォンなどの情報機器が重要な役割を果たすため、これらの機器を充電できるのは安心だ。

パソコンやタブレット、スマートフォン、スマートウォッチ、モバイルバッテリーを充電しているところ
屋外のため見にくいが、出力は約83Wで、バッテリーの残りは約15.2時間と表示されている
ハンドル部分が奥に配置されているため、天面にスマートフォンなどを置きやすい
電気ケトルで沸かしたお湯で入れたホットコーヒーを飲みながらノマドワーク……なんてことも可能だ

定格出力は1800Wと、1000Whクラスのポータブル電源の中ではかなりパワフルなので、電気ケトルでお湯を沸かしながらIHクッキングヒーターで調理をするといった使い方でも問題なく使えた。

電気ケトルとIHクッキングヒーターを同時に使っているところ
出力は1610Wと表示されており、まだ余裕があった

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電力リフト機能なら一時的に定格出力最大2700Wまで使える

AORA 100 V2の定格出力は1800Wだが、電力リフト機能を利用することで最大2700Wまで使えるようになる。電力リフト機能は、家電製品の出力を抑制して定格電圧を下げ、幅広い家電を使えるようにする機能だ。

例えば、定格消費電力1200Wの家電を600W以下で安全に稼働できる。電気ケトルやIHクッキングヒーターなどの熱を利用する家電で有効に使える。

電力リフト機能は、本体とアプリから設定することで利用可能になる。BLUETTIアプリ(Android/iOS対応)では、スマートフォンとAORA 100 V2をBluetooth接続することで、設定画面から「電力リフト機能」をオンにできる。

BLUETTIアプリの設定画面(左)、BLUETTIアプリで電力の入出力が表示されているところ(右)

BLUETTIアプリはそのほかにも充電モードの設定やECOモードの設定を行ったり、AC/DC各入力・出力の状況やバッテリーの残り時間なども確認できるので、インストールしておくといいだろう。

ただし、電力リフト機能は出力自体がパワーアップするのではなく、実際に出力される電力は最大1800Wのままであることは留意してほしい。基本的には1800W内に収めるのがベストな使い方だが、一時的に1800Wを超えてもそのまま使える安心機能として覚えておくといいだろう。

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コンパクトで角度調節もしやすい「120Wソーラーパネル」

AORA 100 V2とともに試用した120Wソーラーパネルの「PV120D」は、AORA 100 V2と一緒に利用することをおすすめしたい。晴天時の昼間にソーラーパネルで充電することで、停電時にも長く電気を使うことができる。

たたむと幅500×高さ500mmとコンパクトながら、展開すると幅1760mmに広がり、最大120Wのソーラー充電ができる。質量は約5.36kgだ。

最大120Wのソーラーパネル「PV120D」とAORA 100 V2を設置して接続したところ
ソーラーパネル背面に接続ケーブルが収納できるようになっている

PV120Dはスタンドを留めるボタンの位置を変えるだけで、簡単に45°±10°(35°、45°、55°)の設置角度に設定できるようになっている。これがかなり便利だ。

スタンドを留めるボタンの位置を変えるだけで設置角度を変えられる

ソーラーパネルは太陽光に合わせて最適な角度に設置するのが重要だが、折りたたみ式のソーラーパネルだとそれがなかなか難しい。その点、PV120Dはかなり簡単に設置できた。

IP65の防水防塵仕様になっているので、少し汚れたり濡れたりしても安心だ。災害時の備えとしてはもちろんのこと、アウトドアで家電を使いながらソーラー充電するといった使い方もおすすめしたい。

備えておきたいポータブル電源

ここ数年でテレビなどのメディアで取り上げられるようになってきたことから、ポータブル電源の認知度が上がっている。世界でも有数の災害大国である日本では、ぜひとも備えておきたい製品の一つだ。

安全性が高くて、容量や定格出力の大きさと持ち運びのしやすさを両立したAORA 100 V2は、日常使いにも災害時にも活躍するフェーズフリー家電としておすすめだ。

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「年末年始セール」開始!12月26日から1月9日まで

BLUETTIでは、ポータブル電源をお得に購入できる「年末年始セール」を12月26日から1月9日まで開催中。目玉として「新春福袋」が用意され、「AORA 80」+お楽しみ秘密アイテム2点の梅セットが59,888円、「AC200L」+お楽しみ秘密アイテム3点の竹セットが119,888円(税込)、「AC300」+「B300K」+お楽しみ秘密アイテム4点の松セットが229,888円(いずれも税込)。

BLUETTI公式サイトで参加できる「ルーレット抽選会」も実施。メールマガジン登録や製品購入で抽選を行うことができ、2,000円オフや5%オフのクーポン、アウトドア食器セットなどが景品として用意されている。さらに、新春の願い事とメールアドレスを投稿すると、抽選で2名にポータブル電源をプレゼントするキャンペーンも実施。

そのほか、購入金額に応じて特典が進呈されるキャンペーンが実施。15万円以上で「Handsfree 1」、25万円以上で「AC50B」、35万円以上で「AC70」がプレゼントされる。

「年末年始セール」会場はこちら

(協力:BLUETTI JAPAN)

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