ただし内藏ディスプレイのみ

Switch 2の可変リフレッシュレートが進化? Ubisoftが任天堂と“新手法”を協議

多根清史

Image:Ubisoft Japan/YouTube

ユービーアイソフト(Ubisoft)が、Nintendo Switch 2のVRR(可変リフレッシュレート)サポートを改善するため、任天堂と協力していることが明らかになった。この取り組みは、同社タイトルにとどまらず、将来的にはすべてのSwitch 2向けゲームが恩恵を受ける可能性がある。

ユービーアイソフトは長年にわたり任天堂と緊密な関係を築いてきた。初代Switchでは、クロスオーバー作品『マリオ+ラビッツ キングダムバトル』(2018年)およびその続編を共同開発し、サードパーティとしては異例とも言える深い協業を行っている。

この関係はSwitch 2でも継続されており、『スター・ウォーズ 無法者たち』や『アサシン クリード シャドウズ』といった、同社でも特に技術的難度の高いタイトルの移植に成功している。とりわけ後者では、独自のVRRアルゴリズムを搭載し、フレームレート30fps固定にもかかわらず、Switch 2におけるVRRの制約を事実上突破している点が注目された。

Switch 2のVRRは「40Hz以上でなければ有効にならない」とされがちだが、これは任天堂の公式仕様ではなく、理論上は40Hz未満でも動作可能とされている。ただし実際のゲームではカクつきや不安定さが生じやすく、事実上の下限として40Hzが意識されてきた経緯がある。

ユービーアイソフトはこの問題に対し、「同一フレームを2回表示し、60Hz間隔で出力する」という手法を採用した。Anvilエンジンに実装されたこの仕組みにより、低フレームレートでもVRRを維持し、視覚的な滑らかさを確保していると、テックメディアFRVRの取材で説明している。

さらに注目すべきは、この独自アルゴリズムをAnvilエンジンの標準機能としつつ、任天堂と協議してシステムレベルでのVRR改善を進めている点だ。もしこれが実現すれば、すべてのSwitch 2用ゲームがVRRの恩恵を受け、特に携帯モードでの体験向上が期待できる。ただし、現時点で具体的な時期は明らかにされていない。

それでも、Switch 2のVRRが30Hz帯に実質対応する意義は大きい。処理負荷を抑えつつ、フリッカー(ちらつき)を回避しやすくなるため、マルチプラットフォームのAAAタイトル移植においては極めて有効だ。実際、『アサシン クリード シャドウズ』のSwitch 2版は、VRRによるフレーム変動吸収の効果で「滑らかだ」と高く評価されていた。

もっとも、Switch 2のVRR機能は現状では携帯モード専用であり、ドックモードでは非対応となっている。将来的にファームウェア更新で対応する可能性は否定できないが、一方で「VRR対応の新ドックが投入されるのではないか」との見方もあり、今後の展開が注目される。

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