停電しないコンセント
アウトドアだけじゃない、UPS用途で買ってよかったポータブル電源「EcoFlow Delta 3」【推しモノ2025】

今年も残すところあとわずか。この時期になると、「今年買ってよかったもの」を紹介する、いわゆるベストバイ系の記事を目にする機会が増えてくる。筆者も例に漏れず、今年購入したガジェットの中から、特に満足度の高かった一台を紹介したい。
今年はそれほど多くのガジェットを購入したわけではないが、その中でも買って良かったと感じているのが、ポータブル電源「EcoFlow Delta 3」だ。
ポータブル電源といえば、災害時の備えはもちろん、車中泊やキャンプといったアウトドア用途と結び付けて語られることが多い。そうした趣味を持たない場合には、「自分には関係のない製品」と感じる人も多いだろう。しかし、ポータブル電源をアウトドア用途だけで使うのは、正直もったいない。筆者もアウトドア派ではないが、今回の購入ではUPS(無停電電源装置)としての利用を主な目的としている。
これまで一般的な鉛電池のUPSを使ってきたが、製品寿命を迎えてエラーが発生するようになってしまったので、思い切ってポータブル電源に買い替えた。UPSは信頼性が高い一方で、バッテリーは2~3年で交換するのが一般的だ。これに対してポータブル電源は、10年の寿命をうたう製品も多く、長期的なランニングコストを考えるとメリットがある。瞬停対策が主な目的であるUPSとは異なり、停電時でもある程度の時間、電力を使い続けられる点も大きな魅力だ。
数年前のポータブル電源はバッテリーへの切り替えに時間がかかり、UPS代わりには使えない製品も少なくなかった。しかし最近では、0.01~0.03秒といった高速切り替えに対応する製品も増えている。ミッションクリティカルな業務用途は別として、家庭用なら十分にUPSとして使えるスペックと言っていいだろう。
今回購入したDelta 3も、0.01秒未満での切り替えをうたっており、実際、購入後にブレーカーが落ちたときにも、接続していたデスクトップPCは問題なく使い続けることができた。
Delta 3の容量は1024Whで、定格出力は1500W。外形寸法は39.8×20.0×28.4cmと一般的なタワー型のデスクトップPCよりもコンパクトで、机の下にも問題なく収納できる。質量も約12.5kgとポータブル電源としては軽量だ。

UPS用途だけを考えるなら、「RIVER 3 Plus」などのもっと容量が小さいモデルでも十分だ。ただ、消費電力の大きいゲーミングPCを接続したいことや、せっかくなのでモニターや3Dプリンター等のコンセントもまとめたいという考えもあり、今回は出力に余裕があるDelta 3を選択した。セールで安くなっていたというのも理由の1つだ。

ノートPCがメインのユーザーであればUPSの必要性は薄いかもしれない。一方で、家庭用NASや光回線のルーターなどを保護する用途では、ポータブル電源は非常に有用だ。自宅周辺のみの局所的な停電であれば、ネット環境を維持できる可能性も高い。
「車中泊やキャンプはしないから」と敬遠せず、「停電しないコンセント」として、ポータブル電源を活用してみてほしい。
