Xbox Series X|Sも再度値上げのうわさ

ゲーミングPC、2026年に最低20%値上げか。メモリ高騰のコスト吸収できず

多根清史

Image:MeshCube/Shutterstock.com

PCサプライチェーンは現在のRAM(メモリ)不足に反応し始めており、ゲーマー向け製品で大幅な価格上昇が迫っていると報じられている。

すでにメモリ不足は多くのメディアが報じているが、ノートPCなどの消費者向けデバイスでは、RAM単体のモジュールと比べて値上げがそれほど目立っていない。それは、PCベンダー各社が前期に買いだめしておいた在庫を取り崩しているためとみられる。

しかし韓国メディアZDNet Koreaの報道によると、匿名のサプライチェーン情報筋は、生産コストの急騰(CPU、バッテリー、メモリ、SSDなど)により、PCメーカーが価格を据え置くことで損失を被っていると指摘している。わずか1セント(約14ウォン)のコスト増でも敏感に反応する業界では、来年発売の新製品価格を最低でも20%引き上げ、既存製品を早急に廃止せざるを得ないという。

現在のメモリ高騰は、DRAM大手であるサムスンやSK hynixがAI向けのHBMやLPDDRメモリの生産を優先し、消費者向けの割り当てを減らしているためである。このためPCベンダーは高額な価格を支払う必要が生じるが、それでもDRAM生産業者は収益性を優先しているため、高価なAI向けメモリに生産の大半を振り向ける状況に変わりはない。

この報道は、今後GPUやインテルのPanther Lake、AMDのGorgon PointといったAPU搭載の次世代デバイスが大幅に値上がりするとの噂とも一致している。また、マイクロソフトもRAMの事前備蓄を行わなかったため、3度目のXbox Series X|S値上げを検討しているとの噂もある

その一方で、サムスンやSK hynixに生産能力を急増させることは期待しにくい。DRAM市場は長年にわたり、過剰生産による供給過剰と値崩れのサイクルを繰り返しており、そのリスクを織り込んでいるためである。PC買い替えやアップグレードを検討している人は、今のうちに決断した方がよいだろう。