上位モデルはマイクロOLEDディスプレイ搭載
アリババ、AIスマートグラス「Quark AI」を中国で発売開始

アリババは11月27日、中国市場でAI搭載スマートグラス「Quark AI」の販売を開始した。展開されるのは、フラッグシップのS1シリーズ(3モデル)と普及型のG1シリーズ(3モデル)の計6モデルである。価格はS1が約3799元(約8万4000円)から、G1が約1899元(約4万2000円)からとなっている。

これらのスマートグラスは、いずれもアリババのAIモデル「Qwen」と連携し、新たにリリースされたQwenアプリを通じて操作される。音声コマンドやタッチ操作に対応しており、リアルタイム翻訳、AIによる議事録生成、バーチャルアシスタントへの質問、商品撮影によるTaobao(アリババ傘下のECサイト)での価格表示、中国の人気音楽ストリーミングサービスQQ Musicの再生などの機能を搭載している。

特にS1モデルには、マイクロOLEDディスプレイ、デュアルチップ(Qualcomm Snapdragon AR1 Gen1 + 低消費電力コプロセッサ)、低照度環境に強いカメラ(Sony IMX681 12MP、109°視野角)が搭載されている点が特筆すべきである。これにより、最大3K画質の映像表示と、AIによる強化が施された4K動画撮影が可能だという。
両モデルに共通するハードウェア仕様としては、伝導マイク5基(ノイズキャンセリング対応でクリアな音声認識を実現)とデュアル10mmスピーカー(ステレオサウンド、開放型設計)を備えている。バッテリー容量は280mAhで交換可能である。本体重量はS1モデルが51g、G1モデルが40gと軽量だ。
アリババがこれらのグラスを中国国外で発売する予定があるかは不明確だが、両モデルとも中国のECプラットフォームで販売されている。今年7月の上海WAIC(World Artificial Intelligence Conference)で初公開された経緯もあり、今後の国際展開も期待できそうである。
