製造プロセスをAIで変革するスタートアップ

Amazon共同創業者ジェフ・ベゾス、AIスタートアップの共同CEOに就任へ

Munenori Taniguchi

Image:Photo Agency/Shutterstock.com

米Amazonの共同創業者で大富豪のジェフ・ベゾス氏が「Project Prometheus(プロジェクト・プロメテウス)」と称するAIスタートアップ企業の共同CEOに就任すると報道されている。

New York Timesによると、Project Prometheusはすでに世界で最も資金力のある初期段階のスタートアップ企業のひとつとして頭角を現しており、この企業への62億ドルの投資の一部がベゾス氏からのものなのだとか。

Project Prometheusの事業については、その具体的詳細は示されていないが、コンピューティング、自動車、航空宇宙などの分野における製造プロセス改善に役立つAIの開発にフォーカスしているという。

製造プロセスの改善にどのようにAIが絡むのかは、われわれ素人には想像するのも難しい。NYTは複数分野にまたがる設計・開発と製造を支援すると説明していることから、近年航空宇宙分野などで採用され始めている、組み立てプロセスにAIを活用したスマートオートメーションシステムの開発を行うのかもしれない。

ただ、それだけならベゾス氏が共同CEOとして関わろうとするほどのインパクトがあるとは思えない。しかし、現在はステルスモードで活動するProject Prometheusが、業界に何らかの大きなブレークスルーをもたらす可能性をベゾス氏は見い出しているのかもしれない。

Project PrometheusはすでにOpenAI、DeepMind、Metaの元社員などで構成される100人ほどの従業員を得ており、ベゾス氏はこのスタートアップで、2021年にAmazon CEOの座を退いて以来の正式な業務執行役を務めるのはこれが初めてとなる(Blue Originでは共同創業者だがCEOではない)。

なお、ベゾス氏とタッグを組むことになるもう一人のCEOは、この会社の共同創業者で物理および化学者であるヴィク・バジャジ氏だ。同氏が最近までCEOを務めていたForesite Labs(Foresite Capital)のプロフィールでは、AIを含む大規模コンピューティングと科学・工学を専門分野としているとのこと。同氏は他に、Googleの先端技術研究部門である「Google X」での活動や、Alphabet傘下の精密医療技術スタートアップであるVerilyの共同創業者兼最高科学責任者(CSO)も歴任している。

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