テスラのOptimusが最初に登場したときよりも人間くさい動き?
中国EVメーカーXpeng、ヒト型ロボット「IRON」新型を発表。人間らしい体型を多数用意

中国のEV・VTOLメーカーXpengは、広州で開催されたAIデーイベントで、ヒューマノイド「IRON」の新型モデル(第3世代)を発表した。2026年後半までに量産を開始したいとしている。
現在、ロボット各社が開発しているヒト型ロボットの多くは、その動きこそ人間に近づきつつあるものの、外観はメカメカしいものがほとんどだ。Xpengの新しいヒューマノイドの特徴は、その外観がより人間らしくなっている。
2024年の初代から数えて3世代目となる新型IRONは、人間のような背骨とバイオニックマッスルと称する仕組みの組み合わせで身体を動かすという(ただ、その骨格を見る限りClone Roboticsが開発しているような筋骨格ヒューマノイドではないようだ)。また、片手あたり22自由度の柔軟性ある「器用な手」を備え、細やかな作業が可能とも説明されている。
インタラクション用のタッチセンサーを内蔵するソフトスキンで覆われたシルエットは曲線基調で非常に人間らしく、男性だけでなく女性を模した形状のものがあるほか、やや太め、痩せ型、高身長、低身長といった体型までオプション選択可能だ。そして動力源には、Xpengいわく「業界初」の全固体電池が採用されていると主張する。
発表でステージのバックドロップに表示された画像には、スーツや学校の制服風、よりカジュアルな衣服を着た5体のIRONが紹介されていた。ただ、Xpengは他社がヒューマノイドの活用場所としてよく掲げている工場や家庭環境での反復作業は、実際にはヒューマノイドには不向きだと主張し、それらの場所にIRONを使うことを想定していないとした。

たとえば、機械のネジ締めなどの作業にロボットを使用すれば、複雑な構造を持つロボットの手は短期間(1か月ほど)で損耗してしまうため、人間の労働者を雇用する方が費用対効果が高くなるとのことだ。家庭での活用に関しても、間取りも異なれば片付けが行き届いていなかったりする家の中を歩き回ることは、動作を一般化して習得するロボットにとって課題が多いという。
その代わりとして、Xpengは企業などの受付係や商業施設におけるツアーガイド、または個人向けのショッピングアシスタントといった役割においてこそ、ヒューマノイドの有用性が発揮できると主張し、その最初の導入先として、自社施設内でツアーガイドや案内役をしたり、顧客に商品を紹介する用途に導入する予定だと述べている。

他社と異なる用途を想定するのは良いが、家庭用を想定しないというこのヒューマノイドが非常に多い体型に関するオプションを取りそろえることにどれほどの意味・必要性があるのかはわからない。もっと言えば人間らしい曲線的な体型なのに「IRON」という名前を採用する理由もよくわからない。
そして、Xpengの言うような用途において十分に活躍できるのか、ほかの用途にも需要が拡がる余地があるのかについても、今後の展開が気になるところだ。まずはXpengの施設に導入されたとき、今回の発表と同じようにIRONが人間らしいスムーズな動きを見せるのか、なぜかぎこちなくなったりしないのかに注目したいところだ。
- Source: Xpeng(YouTube)
- via: BGR
