両社はパートナーシップを3年間延長
Google、Magic Leapと共同開発のAndroid XRスマートグラス試作機を披露

GoogleとMagic Leapは、リヤドで開催されたFuture Investment Initiative(FII)イベントで、新しいAndroid XRスマートグラスのプロトタイプを披露した。この初期モデルは昨年5月のGoogle I/Oで「Google Martha」として映像で紹介されていたが、実機が公の場に登場するのは今回が初めてである。
昨年、Magic LeapはGoogleとの戦略的提携を発表し、同社が持つ拡張現実(AR)の光学技術と製造能力をGoogleの技術プラットフォームと組み合わせてARソリューションを開発すると明らかにしていた。今回のイベントでは、両社がその提携をさらに3年間延長することも確認された。
最新プロトタイプは、GoogleのRaxiumマイクロLEDライトエンジンとMagic Leapの高精度なウェーブガイドおよび光学技術を組み合わせて構築されている。軽量フレームを採用し、1日中着用できる快適さを実現しつつ、鮮明で安定したインレンズ映像を表示できるという。微細かつ高密度なマイクロLED画素によってクリアな映像を生成し、その光をウェーブガイドを通じて効率的に目へ届ける仕組みである。
公開されたデモ映像では、街中での利用シーンが紹介された。たとえばユーザーが歩きながら建物や店舗について質問したり、インテリアショップでラグの柄を選ぶサポートを受けたり、ゴルフのショットについて助言をもらう場面が映し出されていた。これらはGoogle Geminiによって実現しており、AIがカメラやマイクを通じてユーザーの視界や状況を理解し、ハンズフリーで会話できるインターフェースを提供している。
GoogleのXR担当副社長シャハラム・イザディ氏は、Magic Leapの光学設計が「極めて自然な視界をもたらし、現実世界とデジタル世界をシームレスに融合させる鍵になる」と評価している。ただし、このデバイス自体を製品として販売する計画はなく、あくまで他社が製品化を進めるためのリファレンスデザインとして位置づけられている。
一方のMagic Leapも、自社ブランドでの販売を予定していない。同社は「ARエコシステムパートナー」として、Googleのような企業が消費者向けスマートグラスを開発・投入する支援を行う立場に回るとしている。Google側も「自社ブランドのAIグラスを発売する予定はない」としており、両社が直接ハードウェア市場に参入する可能性は低い。
高価で重量のあるXRヘッドセットが普及の壁に直面しているなか、より軽量で手軽なスマートグラスはMeta製品を中心に成功を収めつつある。アップルもVision Proの開発チームを異動させていると報じられており、今後はスマートグラス市場での競争が一層激しくなる見通しである。
- Source: Android Central
