足にとっての電動自転車
ナイキ、電動ランニングシューズ『Project Amplify』発表。発売は数年後
    
    
    
    
    
    
    
    
    
    

米スポーツ用品大手ナイキは、「世界初の電動フットウェアシステム」とされる「Project Amplify(プロジェクト・アンプリファイ)」を発表した。ロボティクス系スタートアップ企業である米デフィ社との共同開発による第1世代製品とされる。
ナイキによれば、この製品は競技レベルの高速ランナー向けではなく、日常生活の中で少ない労力でより速く、より遠くへ移動したい「アスリート」(ナイキの定義では「身体を持つ」全ての人々)を対象としているという。実質的に、第2のふくらはぎの筋肉のような役割を果たすそうだ。
ナイキはこの製品の位置づけを、「電動自転車がより遠くまで、より頻繁に走ることを容易にし、都市部の通勤に革命をもたらした」ことになぞらえて説明している。すなわち、スローランニングやジョギング、ウォーキングをより簡単かつ楽しくすることが狙いである。

システムは、軽量で高出力のモーター、ドライブベルト、充電式バッテリーを組み合わせ、カーボンファイバー製のランニングシューズに統合されている。足首に装着するバンド型のデバイスが足の自然な動きを補助し、より速く、長く、楽に運動できるよう設計されている。
このプロジェクトは、ナイキ・スポーツリサーチラボ(NSRL)が開発したアルゴリズムを基盤としており、日常的に1マイル(約1.6km)を10〜12分で走る人を想定している。400人以上のアスリートがテストに参加し、「自分の身体の一部のように感じられる」との感想が得られたという。坂道を歩く際も平地に近い感覚が得られ、1マイルあたり12分のペースが10分に短縮されるケースも報告されている。
現在はまだテスト段階にあるが、「今後数年以内の一般発売」を目指して開発が進められている。Project Amplifyは、「神経科学に基づくフットウェア」や「新たな冷却技術を採用したスポーツウェア」などと並ぶ、ナイキのテクノロジーとスポーツ科学を融合させる取り組みの一環である。









