macOSはカーネルレベルのアクセスを制限
アップル、WindowsのBSODを皮肉る広告を公開。Macの安全性を強調

アップルは、Windowsのセキュリティを痛烈に批判する新しい広告を公開した。約8分間にわたるこのCMは、昨年に数百万台のWindows PCを一時停止させたCrowdStrikeによる「ブルースクリーン・オブ・デス(BSOD)」事件を皮肉る内容となっている。
広告では、架空の企業「The Underdogs」が初めてのトレードショーに参加する準備を進めるなか、PCの障害とBSODが次々と発生し、混乱が広がる様子が描かれる。途中でIT専門家が登場し、「カーネルレベルの機能」について説明を始める。これは、システムメモリやハードウェアへの無制限アクセス権を持つOSの中核部分のことだ。
CrowdStrikeのFalcon保護ソフトは、このカーネルレベルで動作することで、システム全体をリアルタイムで監視・保護できる点が強みだ。しかし、ソフトウェアにバグが発生した場合、その影響はOS全体に及ぶというリスクもある。実際、昨年7月に不具合のあるアップデートが配信され、世界各地の銀行や航空会社、テレビ局などが一斉にダウンする事態となった。
劇中のIT専門家役は、Windowsのカーネルレベルの脆弱性を指摘したうえで、Macのセキュリティ設計が異なる点を強調している。すなわち、Macではカーネルレベルのアクセスが制限されており、「OSの深い部分は、サードパーティソフトウェアやマルウェアによる改変から守られている」と説明。今回のようなトラブルはWindows特有の問題であり、Macなら安全だと主張している。
広告の結末では、The UnderdogsがMacで仕事を続けて売上を伸ばす一方、他のトレードショー参加者たちも次々とMac Miniに乗り換える様子が描かれている。
アップルがWindowsのセキュリティを風刺するのは今回が初めてではない。約20年前の「Get a Mac」キャンペーンでは、「I’m a PC」役の男性がウイルスに感染してくしゃみをするシーンが象徴的だった。その俳優ジャスティン・ロング氏は、のちにインテルCPU搭載のWindows PCを称賛するCMや、クアルコムがmacOSの通知画面を批判するCMにも出演している。
- Source: Apple(YouTube)
- via: The Verge