Steam Deckでさえ約500万台

マイクロソフト、ハンドヘルド型Xbox開発中止か。「最低1000万台」の条件を嫌ったとの噂

多根清史

Image:EKKAPHAN CHIMPALEE/Shutterstock.com

マイクロソフトは「次世代Xboxゲーム機やデバイスの設計・開発・製造に積極的に投資している」との声明を、米メディアWindows Centralに寄せている。これは、次世代Xboxゲーム機の製造を完全に停止し、ハードウェア事業から撤退するとの噂が報じられた直後のことであり、それを否定する形となった。

そんななか、新たにマイクロソフトが独自のXboxハンドヘルド機をキャンセルし、代わりにASUSと協力してWindows搭載の携帯ゲーム機「Xbox ROG Ally」シリーズに注力するとの噂が浮上している。

この情報は、AMDの未発表製品に関して多くの実績をもつリーカーKepler L2氏が、海外ゲームフォーラムNeoGAFで述べたものだ。それによれば、マイクロソフトは自社でXboxハンドヘルド機を開発していたが、AMDが専用SoC開発のためのコストを正当化する条件として、最低1000万台以上の発注を求めたという。

この高い最低注文数に伴うリスクをマイクロソフトが嫌い、開発をキャンセルしたとされている。Steam Deck(約500万台販売)やASUS・Lenovoの携帯機(いずれも100万〜200万台程度)と比べても、採算が取れないと判断したようだ。

一方で、この噂には異論もある。マイクロソフトの内情に詳しいWindows Central編集者Jez Corden氏は「これは全くの誤りだ」と否定している。ただし、同氏はマイクロソフトの「Xboxハードウェア事業を継続する」との声明について、信頼できる情報源に基づき事実であるとしながらも、「少なくとも今のところは」と含みを持たせている。

マイクロソフト幹部はこれまでにもXboxハンドヘルド機の可能性について何度か言及しており、「我々も携帯型ゲーム機を持つべきだと思う」と発言していた。そのため、開発プロジェクトが実際に進行していた可能性は高いとみられる。

とはいえ、マイクロソフトは過去にもクラウド専用Xboxを開発しながら、最終的に発売を中止している。同社が今回否定したのはあくまで「次世代Xboxハードの撤退」だけであり、ハンドヘルド版については一切言及していない。今後の続報を待ちたいところである。

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