「変なAIガールフレンド」も一定の需要はありそう

OpenAI×ジョニー・アイブのAIデバイス、「技術的問題」で開発難航か

多根清史

Image:OpenAI

OpenAIとアップルの元チーフデザイナーであるジョニー・アイブ氏が共同開発中のAIデバイスは、当初2026年の発売が予定されていた。しかし「技術的な問題」により、発売が延期される可能性が高くなったと報じられている。

英Financial Timesの情報筋によると、AIアシスタントの「性格」や声の調整が難航しているという。本製品は、違和感のある “変なAIガールフレンド” ではなく、「友人のようなコンピュータ」を目指しているとされる。

また、本製品は常時音声を聞き取る設計であるため、プライバシー問題への対応も課題になっている。さらに、大量生産を前提とするAIデバイスであることから、必要な計算能力が膨大になり、(それらを処理するクラウドサーバー運用の)予算面でも課題が生じていると報じられている。

こうした課題以外の具体的な情報は、まだほとんど明らかになっていない。報道によれば、OpenAIのサム・アルトマンCEOは社員に対し、「ポケットサイズで周囲を認識し、ディスプレイを持たない可能性がある」と語ったという。

著名アナリストのMing-Chi Kuo氏は、このデバイスの概要を次のように述べている。

  • サイズはHumane社のAI Pinよりやや大きいが、iPod shuffleのようにコンパクトで洗練されたデザインになる見込み
  • マイクとカメラを内蔵し、音声操作や周囲環境の認識が可能
  • スマートフォンやPCと接続し、それらの演算機能や表示機能を活用する
  • 首にかけて装着するスタイルを想定している

先行するウェアラブルAI製品として注目されたHumane社のAI Pinは、発売から1年も経たないうちに製造・販売・サービスすべてが中止された

同じ失敗を繰り返さないために、OpenAIとアイブ氏がどのような工夫を凝らすのか、今後の展開が注目されそうだ。

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