まず軸ブレを直してください
テスラ、10月7日に「謎の発表会」開催。予告動画はEV用ホイール?扇風機?Tesla Roadster?

テスラは、10月7日に新しい何かを発表すると予告した。Xに投稿されたティーザー動画には、テスラのエンブレムが刻まれた回転するなにかが見える。
動画は10秒にも満たないため、それが何なのかはわからない。だが、おそらくほとんどの人の第一印象は、テスラが電気自動車メーカーであることから、これがEV用のホイールか、あるいはホイールキャップなのではと想像したことだろう。
だが、ENKEIやBBSなどのホイールメーカーならいざしらず、ホイールやホイールキャップのために発表イベントを開くEVメーカーがあるだろうか。
省エネルギー・電気自動車ニュースサイトのElectrekは、予想されるテスラ製品の一例として、最近Model Yのシンプルかつ安価なバージョンと見られる車両がハイウェイでテスト走行していたとのうわさを挙げた。
だが、それだと動画とModel Yの関連性がよくわからない。そして、動画で回転している謎の物体は、中心から放射状に広がる部分がファンのような形状をしているようにも見える。
今年の夏は米国も猛暑に見舞われた。そこで、イーロン・マスク氏が突如として扇風機を売ろうと考えた可能性はないだろうか。マスク氏が好きなくだらないジョークとしてならそれはあるかもしれないが、さすがにイベントを開催するほどのものでもないだろう。
となると、このイベントはもう開発発表から年月が経ちすぎて多くの人が忘れてしまっていそうなアレを正式発表するものになるかもしれない。新型Tesla Roadsterだ。

マスク氏は2024年第2四半期の業績報告で、2017年に発表した2代目Roadsterの技術的な開発がほぼ終わったと投資家らに対して述べていた。そして今年7月には、年内に大々的なデモンストレーションを実施するとも述べている。
さらに、新型のTesla Roadsterには、大きなファンで車体下面の空気を吸い出し、道路に吸い付いて運動性能を高める機能が搭載されるとのうわさがあり、8月には同社がこの技術に関する特許を取得したことが報じられている。なお、マスク氏は新型Roadsterは「空を飛べる」とも言っていたが、それについては気にしないほうが良いかもしれない。
ファンで空気を吸い出してダウンフォースを得るという発想は、鬼才と呼ばれるカーデザイナーのゴードン・マレー氏が、かつてF1マシンのブラバムBT46の設計で採用したことがあり、近年では自身が設立したスポーツカー企業ゴードン・マレー・オートモーティヴ (GMA)のスポーツカーであるGMA・T.50でも採用している。さらに英国のMcMartryは小型スポーツカーに巨大なファンを搭載して、逆さになっても床面に張り付いたままでいられるほど強力なダウンフォース発生効果を動画で宣伝した。
いろいろと予想してみたが、テスラがその答えを明らかにする10月7日(現地時間)はすぐそこだ。
ちなみに今週は、9日にフェラーリが初のBEVの発表を予定している。7日というタイミングは、テスラが潜在的顧客に新製品を印象付けたい意図で先手を打ったのかもしれない。
ところで、ティーザー映像を見たほとんどの人が回転する物体の「軸がブレブレで壊れそう」と思ったのではないだろうか。どんな製品が出てくるにせよ、とりあえずあの動画のクオリティのまま発売されないことを祈りたい。