ユーザーのDIYを参考にした可能性

Vision Pro、新ストラップ搭載モデルが開発中か。首と頭の負担を軽減?

多根清史

Image:ingo Chiu/Shutterstock.com

アップルはVision Proヘッドセットの次期モデルを準備中であり、搭載チップのアップグレードに加えてストラップの改良も進めていると噂されてきた。その改良型ストラップとして、より快適な「Dual Knit Band(デュアルニットバンド)」を新たに採用する可能性が高いと報じられている。

米MacRumorsが発見したアップルの最新バックエンドコード(内部サーバーやシステムの管理用データベースに記述された情報)には、「Dual Knit Band」という名称が含まれていたという。Vision Proには「Solo Knit Band(ソロニットバンド)」と「Dual Loop Band(デュアルループバンド)」が同梱されているが、「Dual Knit Band」は存在しておらず、未発表の新アクセサリーとみられている。

この名称から推測すると、ソロニットバンドの快適さとデュアルバンドの安定性を兼ね備えた構造である可能性が高い。コード内のテキスト記述によれば、上部に頭頂部を覆うバンド、後頭部に固定するバンドの2本で支える設計が示唆されているという。

一部ユーザーはすでにソロニットバンドを2本使って自作の「デュアル構成」を実現しており、現行のデュアルループバンドよりもはるかに快適だとの声も上がっている。アップルがこうしたユーザーの工夫を参考にした可能性もありそうだ。

アップルの動向に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、改良版Vision Proに新型ストラップが採用され、「重さによる首や頭への負担が軽減される」と以前から報じていた。この点に関しては、今回の情報で裏付けられた形となる。

Vision Proの重量は約600g強とかなり重く、次期モデルでも大きな軽量化は見込まれていない。アップルは新たなフォームファクタを開発すると、それを数世代にわたって使い続ける傾向があり、Vision Proもその例外ではないようだ。デザインや筐体構成を大きく変えず、新設計のバンドで重量負担を分散させる方向性が取られるとみられる。

この更新版Vision Proは、2025年末までの発売が有力視されている。また、廉価かつ軽量な派生モデル「Vision Air」もかつて開発されていたが、Metaへの対抗戦略として一時棚上げされ、現在はスマートグラス開発に注力しているとの報道もある。

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