充電ケースのバッテリー容量は減少

iFixitがAirPods Pro 3を分解。フォーム注入型イヤーチップが快適な装着と高い遮音性を両立

多根清史

Image:iFixit/YouTube

修理業者iFixitがiPhone AirやiPhone 17 Proに続き、AirPods Pro 3の分解動画を公開し、従来モデルと同じくほぼ修理不可能であると結論づけている。

これまでAirPodsのバッテリーは通常使用で2〜3年後に消耗するものの、分解して交換するのは極めて難しく、本体ごと廃棄せざるを得なかった。

新発売されたAirPods Pro 3も例外ではなく、バッテリーは依然として強力な接着剤で固定され、分解には専門機器を用いて熱を加える必要がある。熟練技術者でさえ外観に深刻な損傷を与えたり、完全に破壊するリスクを冒さずに交換するのは困難だと指摘されている。

そのため、AirPods Pro 3も過去モデルと同様に修理しやすさスコアは0/10となり、「9年連続で最悪記録を更新した」とされている。

そして充電ケースのバッテリーは従来の2セルから単一セルに変更され、容量は1.334Whとなった。これはAirPods Pro 2の1.997Whから減少しており、その結果、ケース併用での最大再生時間は30時間から24時間に短縮されているようだ。さらに、ケース内の希土類磁石の数も減ったが、配置の工夫によってQi2およびMagSafeでの充電機能は維持されている。

Image:iFixit/YouTube

この分解で最も興味深いのは、アップルが「フォーム材が入った新たなイヤーチップ」と説明している部分である。

Image:iFixit/YouTube

顕微鏡で確認したところ、内部には泡状の空気を含む低反発素材が使われており、そのフォームがシリコン製の薄い外皮で覆われている。この多孔質構造によって耳に密着しやすくなり、遮音性が高まる仕組みになっている。

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