会社の舵は依然として握る模様
Spotify創業CEOのダニエル・エクが退任、執行会長へ。後任は共同社長2人が揃って共同CEOに

音楽ストリーミングサービスのSpotifyは、創業者でCEOのダニエル・エク氏が年明け1月に退任することを発表。後任には、最高製品・技術責任者(CPO)グスタフ・ソーデルストロム氏と最高事業責任者(CBO)アレックス・ノルストロム氏の現共同社長が、ともに共同CEOとなる。
エク氏はCEOを退任しても、執行会長としてSpotifyには留まる。一般的に、執行会長は実質的な会社の経営にも深く関わっていく立場とされる。今回の人事では、執行会長直属になる共同CEOの2人が日常的な業務をとり仕切る一方で、エク氏は資本配分と長期的な戦略方針の決定、規制への取り組み、そしてSpotifyの次の10年を形作る決定に時間を費やしていくとのことだ。エク氏は「この数年間、Spotifyの日常的な経営と戦略的な方向性の大部分をアレックスとグスタフに委譲してきた。彼らは創業当初からともに会社を築き上げてきた人物であり、今や次の段階を導く準備も整っている」と述べた。
Spotifyのウッディ・マーシャル取締役いわく、Spotifyは長年にわたり社内でリーダーシップの刷新に取り組んできた。マーシャル氏は「アレックスとグスタフが共同CEOに就くことに関し、われわれは彼らに絶大な信頼を寄せている」「彼らは15年以上もSpotifyに在籍し、会社の成功を牽引し、業界をリードする存在としていく上で重要な役割を果たしてきた」と述べている。
ちなみに、エク氏は今年6月、自身の投資会社Prima MateriaがドイツのAI軍事ソフトウェア・ドローンメーカーのHelsingに6億ユーロ(約1042億円)を投資した。これを受けてMassive AttackやDeerhoof、Godspeed You! Black Emperor、King Gizzard and the Lizard WizardといったアーティストらがSpotifyから楽曲を引き揚げることになった。Deerhoofのメンバー、グレッグ・ソーニエは、「われわれは(Spotifyでの)自分たちの音楽の成功が、戦争向けのAI技術開発の資金源になることを望まない」と述べていた。