Windowsバックアップ設定の必要ナシ
Windows 10セキュリティ更新プログラム、ヨーロッパだけ1年完全無料・条件なしに

Windows 10のサポート終了まで残り3週間を切るなか、マイクロソフトは欧州経済領域(EEA)向けに拡張セキュリティ更新(ESU)を完全無料・条件なしで提供せざるを得なくなった。EEAにはEU加盟27カ国が含まれており、EU全域がカバーされる。
当初マイクロソフトは、ユーザーに対して1年間のESU提供を受けるため30ドルの支払いを求めていた。しかし後に無償提供の選択肢を用意し、「Windowsバックアップを有効化」もしくは「Microsoft Rewards1000ポイントを使用」のいずれかを選ぶよう促していた。
この条件に対し、消費者擁護団体Euroconsumersが抗議した。WindowsバックアップはMicrosoftアカウントやOneDriveの使用を前提としており、無料で利用できるのは5GBまでで、それを超えると有料になる。そのため「追加コストが発生する」「余分な設定が必要」と批判し、Rewardsと合わせて撤回させた結果、EEA内では条件なしの完全無料化となった。
ただし、これらの変更はEEA域内限定であり、日本や米国などでは引き続き「年間30ドルを支払う」「Windowsバックアップを有効化する」「Microsoft Rewards1000ポイントを使う」のいずれかが必要である。
もっともEuroconsumersは、ESU無償提供が1年間に限られている点を依然として問題視している。多くのユーザーがWindows 11へ移行できない旧ハードウェアを使用しているなか、わずか1年でサポートを打ち切るのはリスクを放置することになると指摘。さらに、Windows 10のサポート終了スケジュールがWindows 7やXPの時代よりも急であることも懸念材料とされている。
こうした観点から、Euroconsumersは1年を超える一般ユーザー向けESU延長をマイクロソフトに働きかけているという。この協議が日本など他地域に波及するか、引き続き注視したいところだ。
- Source: Euroconsumers
- via: The Verge