無印とProモデルの性能差は縮小

発熱は解決、性能は微妙?Pixel 10搭載Tensor G5の実力が検証される

多根清史

Image:Google

Googleは最新フラッグシップ機Pixel 10シリーズに搭載した自社設計チップ「Tensor G5」について、前世代G4から「大幅な性能向上」だと強調している。その真偽を確かめるべく、実機を入手した海外メディアが検証を行い、ベンチマークスコアや実際の使用感を報告している。

もともとGoogleは、Tensorチップでベンチマークスコア上位を狙わない方針を明言してきた。最速を目指すのではなく、AI中心のユーザー体験を重視して設計されており、これまでの世代でもその役割を果たしてきた。

初代では5Gモデムの通話・通信に深刻な問題を抱えていたが、以降の世代で改善が進み、2023年のPixel 8シリーズ(Tensor G3)では「発熱」が最後の大きな課題として残り、Pixel 9シリーズにも引き継がれていた。

米9to5Googleの検証によれば、Pixel 10シリーズでは発熱問題が大きく改善され、競合他社と同等レベルに抑えられているという。日常使用ではほとんど熱を感じず、ゲーム中に温かくなる場面はあるものの、すぐに安定し「熱い」と感じるほどにはならない。

一方で純粋な性能面を見ると、CPU性能は約34%向上しているものの、日常使用での体感は前モデルと大差なく、重量級のゲームでは最高設定で60fpsを維持するのは難しい。実際、GSMArenaShortCircuitは、Pixel 10シリーズのベンチマークスコアはわずかに改善しているものの、Snapdragon 8 Eliteを搭載した競合機に大きく劣ると指摘している。

ただし注目すべきは、性能の安定性である。最高スコアと最低スコアの差が極めて小さく、Galaxy S25 Ultraなどのライバルを上回る安定性を示している。結果的にモバイルゲーマー向けのトップ性能ではないが、多くのユーザーにとって十分な性能を備えているといえる。

さらに興味深いのは、Android Authorityが「無印Pixel 10とProモデルの性能差が従来より小さい」と指摘している点だ。無印モデルはグラファイトプレート、Proモデルはベイパーチャンバーと冷却機構に差があるが、チップの3nm化による発熱抑制が大きく作用しているのかもしれない。

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