自社製スマートグラスも否定

Google、Pixelデザイン刷新は2〜3年周期。タテ折りスマホやスマートリングは開発せず

多根清史

Image:Google

GoogleはBloombergのインタビューで、Pixelシリーズのデザインを数年ごとに刷新する方針を示す一方で、フリップ型(タテ折り)スマートフォンや新型タブレット、さらにスマートリングについては「現時点では予定がない」と明言した。

Pixelシリーズの責任者であるRick Osterloh氏は、最新のPixel 10シリーズを「成熟したカテゴリーにおける非常に強力なリリース」と表現し、自信を示している。

ただし同氏は、Pixelがスマホ市場で巨大なプレイヤーになることは目指しておらず、「良いビジネスを築くことが目標」とも語っている。調査会社Canalysによると、Pixelは2025年第2四半期に米国で約80万台を出荷し、市場シェアは約3%に過ぎない。これはアップルの49%と比べて大きな差があり、急激なシェア拡大は現実的ではないだろう。

ハードウェアデザイン担当チーフのIvy Ross氏は、Pixelスマホについて「2〜3年ごとに新たなデザイン言語を試す」と説明している。具体的には、2026年に登場予定のPixel 11シリーズはすでにデザインが最終段階にあり、その後の2027年に予定されるPixel 12(20周年モデル)も開発が進行中だという。

またOsterloh氏は、Pixelの優位性はソフトウェアにあると強調し、「AIにおいて決定的にリードしている」と述べた。さらに「Androidを使う人はAIの最前線に立つことになる」と語り、AIを軸に据えたユーザー体験に強い自信を示している。

ちなみに今月Googleは「ある機能が来るのを1年待つくらいなら、定義を変えるかスマホを変えた方がいい」というCMを公開し、アップルのAI機能(特に刷新版Siri)が遅れていることを皮肉っていた。

折りたたみ式スマホについては、デバイス・サービス部門の副社長Shakil Barkat氏が「折り目の問題を解決したい」と述べつつも、現時点でPixelブランドによるフリップ型スマホの開発は行っていないと改めて確認している。

タブレットについては「カテゴリーに有意義な将来が見つかるまで、開発は一時保留されている」とのことだ。また、ユーザーはすでにスマートフォンに加えて、時計やイヤホン、メガネを使いこなしており、新しいカテゴリーが増えるほどメンテナンスの負担が大きくなると指摘した。「すでにかなり負担になっている」と語り、スマートリングの開発も行っていないと述べている。

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