「激安タブレット」からの転換になりそう
Amazon Fireタブレット、今後は純粋なAndroidに? ただし値上げか

米AmazonがFireタブレット製品群を大幅に刷新し、独自カスタマイズ版Android「Fire OS」から、純粋なAndroidを全面的に採用する準備を進めていると報じられている。
米Reutersによれば、このプロジェクトは社内で「Kittyhawk」と呼ばれており、2026年に新しいAndroidタブレットが発売される見込みだ。複数年にわたる取り組みであり、同社にとって「思想的な転換」と位置づけられている。
新モデルは従来のFireタブレットより高価になり、約400ドル(約6万円)の価格帯が検討されているという。現行のFireタブレットは最も安価なモデルで60~80ドル、最上位のFire Max 11でも通常は230ドル程度である。新型タブレットの具体的なサイズや仕様は不明だが、現行ラインナップは7インチから11インチまで幅広く展開されている。
ただし、この計画は「財務上あるいはその他の理由で延期や中止となる可能性がある」と情報筋は但し書きをしている。
今回のニュースは、Amazonが一般向けのAndroid用アプリストアを終了した当日に報じられたものである。ストアは今後もFireタブレットやFire TV向けには提供されるが、一般的なAndroid端末ユーザーは利用できなくなった。
一方で、Amazonは2025年内にFire TVシリーズでもAndroidベースのFire OS採用を廃止し、独自開発の「Vega OS」を搭載した新モデルを発売する予定とも報じられている。
AmazonがFire OSや独自アプリストアを自社製タブレットに採用してきた理由は、主に3つあるとみられる。ひとつは、OSをカスタマイズすることで軽量化と最適化を行い、低スペックのハードウェアでも動作させやすくするため。第2に、独自アプリストアを通じて、自社サービスへ利用者を誘導しやすくする。最後に、Google Playのライセンス料や認証手続きを回避し、価格競争力を高めるためだ。
つまりFireタブレットが安価に提供されてきたのは、Fire OSと独自アプリストアの存在あってこそであった。今後登場する新たなAmazonタブレットはGoogle Playストアが利用できる可能性が高いが、その代償として、これまでの低価格という最大の魅力は失われそうだ。
- Source: Reuters
- via: 9to5Google