原作ゲームでは「NO DEFEAT」どころか死にまくり

フロム・ソフトウェアの『SEKIRO』アニメ化決定。完全手描きアニメーション

多根清史

Image:Crunchroll

ドイツで開催されたGamescom 2025のオープニングナイトライブにて、フロム・ソフトウェアのアクションゲーム『Sekiro: Shadows Die Twice』のアニメ化となる『SEKIRO: NO DEFEAT』が正式発表された。

完全手描きアニメーションとして制作され、「忠誠と血の物語」を描くとされている。配信は2026年にCrunchyrollで独占的に行われる予定だ。

原作の『SEKIRO』は、戦国時代の日本をモデルにした架空の国「葦名」を舞台に、幼い主君「九郎(御子様)」と、それを守る主人公の忍が織り成す物語を描いている。

本作にはレベルアップの概念が存在せず、攻撃力を上げるためには「ボスを倒す」ことが必須であるため、『DARK SOULS』シリーズ以上に “死にゲー” の色が濃い。その一方で、敵の攻撃を剣により「弾く」ことで「体幹ゲージ」(体力とは別の耐久力的なもの)を溜め、満タンになると一撃で「忍殺」を決められるシステムが、チャンバラの快感と高度な駆け引きを生み出している。

公開されたアニメ版トレーラーは、原作序盤をベースにしている。主人公が宿敵・葦名弦一郎と対峙し「隻狼」となる場面から、主要ボスの1人である鬼刑部との戦いまでが、3DCGを使わず「完全手描き」で再現されていることが確認できる。

制作は日本のアニメスタジオQzil.laが担当し、プロデュースはKADOKAWAとARCHが手がける。監督は『ワンパンマン』などアクションアニメに定評ある沓名健一、脚本は佐藤卓哉、キャラクターデザインは岸田隆宏が務める。声優陣はゲーム版と同じキャストが続投し、主人公を浪川大輔、九郎を佐藤みゆ希、葦名弦一郎を津田健次郎が演じる。

沓名監督は「美しい『SEKIRO』の世界をアニメ化するという壮大な挑戦であり、全身全霊で取り組んでいる。熱心なファンにも初めて触れる人にも強い印象を残す作品になる」とコメントしている。

今回のトレーラーでは、ゲームの世界観や名シーンがスピーディかつ残酷な描写を含めて忠実に再現されており、原作ファンにとって期待を高める内容となっている。ゲームの難しさに心折れて途中で投げ出した人にとっても、アニメを通じて擬似的にプレイ体験を味わえそうだ。日本での配信予定は未定であり、続報が待たれるところだ。

関連キーワード: