数日前には米国政府がインテル株取得を検討するとの報道もありました

ソフトバンク、インテルに20億ドル出資。「先進的な半導体製造と供給」への戦略的投資

Munenori Taniguchi

ソフトバンクグループは半導体メーカー、インテルに20億ドル(約2960億円)を出資すると発表した。両社は「この投資は、インテルとソフトバンクによる米国での先端技術と半導体イノベーションへの投資強化の一環として行われる」と発表文で述べており、ソフトバンクはインテル株を1株あたり23ドルで購入する。

ソフトバンクがインテルの株式約10%を取得するために協議しているとの報道から数時間後に出されたこの発表により、このところ、AI向けの半導体の開発競争の出遅れや、サムスンやTSMCといったライバルに押され、良いニュースがなかったインテルの株価は時間外取引で約6%上昇した。今回の契約では、ソフトバンクのインテルへの出資比率は数%となる見込みだ。

今回の取引は、インテルがオハイオ州に予定している、新たな主力製造拠点の建設を支援するためとされている。だが、他社向けチップ製造を目的としたインテルのファウンドリー事業は、安定と拡大に向けた重要なステップとなる主要な顧客をまだ確保できていない。インテルは先月、ファウンドリー事業への将来的な投資を決定する前に、受注の確保を目指す方針を表明していた。

一方のソフトバンクは、世界のチップおよびAI市場での影響力を拡大中だ。ソフトバンクは2016年にArmを320億ドルで買収したが、現在、Armはその評価額が1500億ドル近くまで上昇している。今年3月にも、ソフトバンクはAIチップを設計開発するAmpere Computingを65億ドルで買収すると発表し、4月には以前22億ドルを出資していたOpenAIへの最大400億ドルの追加出資(実質は300億ドル程度の見込み)も発表している。

インテルのリップブー・タンCEOはソフトバンク創業者の孫正義氏について、「マサと私は数十年にわたり密接に協力してきました。この投資を通じてインテルに寄せられた信頼に感謝しています」と声明で述べた。

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