まず再起動を試してみること推奨

Windows 11最新アップデートでSSDが認識不能に、日本国内の報告多数

多根清史

Image:Daniel Chetroni/Shutterstock.com

Windows 11の最新セキュリティアップデート(KB5063878適用)後、大容量ファイル転送時に一部SSDがOSから認識不能になるという報告が多数寄せられている。記事執筆時点では報告の多くが日本のユーザー・コミュニティから発信されており、国内ユーザーは特に注意が必要である。

問題が発生している環境は、主にWindows 11 24H2とKB5063878(またはKB5062660など類似アップデート)を導入したPCだ。日本の「ねこるすきー」氏がX上で報告したことをきっかけに注目を集め、ブログ「ニッチなPCゲーマーの環境構築Z」が検証結果をまとめている。

不具合の内容は、SSDの使用率が60%以上かつ50GB以上の連続書き込みを行った際に、SSDが突然OSから認識されなくなるというものだ。特にPhison製コントローラを搭載したSSD(Corsair Force MP600、Kioxia Exceria Plus G4など)で多く報告されているが、SanDisk Extreme Proなど他社コントローラでも一部影響が確認されている。

具体的には『サイバーパンク2077』や『崩壊:スターレイル』といった大容量ゲームのアップデート、あるいは動画編集作業などで症状が再現されやすい。ゲーマーから動画配信者にいたるまで広範に影響を及ぼす可能性が高いといえる。

SSDが「クラッシュ」すると、Windowsのエクスプローラー上から消失する。PCを再起動すれば認識が戻る場合が多いが、大容量ファイルを再び移動すると同じ問題が再発するという。また、一部SSDでは再起動後も完全に認識不能になる例が確認されている。

実際に21種類のSSDをテストした結果、12台でアクセス不能が発生し、その中でWestern Digital SA510 2TBだけは再起動しても復旧しなかったとされている。

この問題は欧米の大手メディアや海外ニュースサイトでも取り上げられているが、いずれも「日本での報告が大多数」という点を強調している。海外掲示板Redditにも一部報告はあるが、日本での報告数には及ばない。

現時点でマイクロソフトは公式に不具合を認めておらず、修正パッチなどの情報も出ていない。またTom’s HardwareがPhisonに問い合わせたが、コメントは得られていないという。

この問題は、マイクロソフトがWindows 10のサポート終了を目前に控え、ユーザーにWindows 11への移行を推奨しているタイミングで発生した。Windows 11の普及を本気で進めるのであれば、早期の対応が不可欠だろう。

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