アップルはApp Storeは「公平で偏見がない」ように設計されていると反論

イーロン・マスク、App Storeが「xAIよりOpenAIを優先」と主張し「法的措置」で脅す

Munenori Taniguchi

Image:Koshiro K/Shutterstock.com

大富豪のイーロン・マスク氏は、アップルがApp StoreのランキングなどでOpenAIを優遇しているとして不満を表明。「アップルはOpenAI以外の企業がApp Storeで首位を獲得するのを阻んでいる」「これは明白な反トラスト法違反だ」と主張し、「直ちに法的措置を講じる」と述べた。

Image:Elon Musk/X

マスクは以前のXへの投稿で、アップルがなぜ「X」アプリや「Grok」アプリを定番アプリの一覧に含めないのかと疑問を呈していた。マスク氏は「Xは世界一のニュースアプリであり、Grokは全アプリ中5位以内にランクしている」と主張し、アップルに対してこれは「政治的な駆け引きなのか?一体何がどうなっているのか?」と問いかけていた。この一覧に含まれているAIチャットボットアプリは、米国でも日本でもChatGPTだけとなっている。

Image:Elon Musk/X

アップルはマスク氏の主張にすぐに反応を示さなかったが、かわりにOpenAIのサム・アルトマンCEOがXへの投稿で、マスク氏はこれまで「自身と自分の会社の利益のために、競合する企業や気に入らない人々に損害を与えるよう、X(のアルゴリズムなど)を操作している」との疑惑を耳にしているとし、マスク氏の今回の主張について「注目に値する主張だ」と述べた

その後、アップルの広報担当者は、App Storeは「公平で偏見がない」ように設計されており、同社は「チャート、アルゴリズムによる推奨、専門家が客観的な基準で選んだキュレーションリストを通じて、何千ものアプリを掲載している」「われわれの目標は、ユーザーにとって安全な発見と開発者にとって貴重な機会を提供し、急速に進化するカテゴリーで多くのアプリと協力しながら、アプリの認知度を高めることだ」と述べた。

ただ、マスク氏は指摘しなかったものの、アップルはApple IntelligenceへのChatGPTの統合などでOpenAIと提携しており、互いに利益を享受しあう仲ではある。来月にもリリースされる予定のiOS 26、iPadOS 26、macOS Tahoe 26では、OpenAIがリリースしたばかりのGPT-5の機能が利用可能になる予定だ。

マスク氏は、GrokがApp Storeの無料アプリランキングでGoogleアプリよりも上位になった時にはそれを喜ぶ投稿をしていた。しかし、その後も定番のアプリ一覧には依然としてGoogleアプリやChatGPTアプリが含まれる一方で、XアプリもGrokアプリも含まれる様子がみられないため、今回のお気持ち表明に至ったのかもしれない。

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