クック氏とトランプ氏の関係は修復か
アップル、米国製造の「24金台座のガラス製ディスク」をトランプ大統領に贈呈

アップルのティム・クックCEOはホワイトハウスでの記者会見にて、米国内での製造拡大をアピールする一環として、トランプ大統領に24金の台座に据えたガラス製ディスクを贈呈した。
これは、大統領執務室で行われた「Apple American Manufacturing Program(AMP)」発表イベントの一幕である。AMPとは、今後4年間で米国にさらに1000億ドルを追加投資し、総額6000億ドル規模に拡大する製造・投資プランである。なお5000億ドル分の投資については、すでに今年2月に発表済みである。
今回の追加投資には、iPhoneやApple Watch向けのカバーガラスをコーニング社と協力して全量をケンタッキー州で製造する計画や、半導体、AIサーバー、レアアース製品といった米国内サプライチェーンの強化が盛り込まれている。
贈呈されたガラス製ディスクは、まさに米国製造の象徴と言えるものである。ケンタッキー州産のコーニングガラスには、トランプ大統領の名前、アップルのロゴ、クック氏のサイン、そして「MADE IN USA 2025」という刻印が入っている。24金の台座はユタ州産で、ディスクの設計は元海兵隊員であるアップル従業員が手がけており、全体として「世界に一つだけの作品」とされている。
背景には、トランプ政権が米国内への製造拠点回帰と雇用創出を強く推進し、アップルにもiPhoneを国内で製造せよと要請してきた事情がある。仮に「米国製iPhone」が実現した場合、1台あたりの価格は3500ドル(約50万円)になるとの試算もあった。これでは米国内に製造を戻してもiPhone市場が壊滅しかねないため、アップルとトランプ政権は現実的な着地点を模索したようだ。
クック氏はトランプ大統領との良好な関係構築に長けていると見られており、第一期トランプ政権下では自らテキサス州のMac Pro組立工場を案内したこともあった。一方、第二期トランプ政権では中東訪問への招待を断ったことから関係が冷え込んでいたが、今回の巨額投資と豪華な贈答により、関係が修復された可能性がある。
- Source: White House(YouTube)
- via: The Verge