トランプ関税という不安材料あり

アップル折りたたみiPhone、「安さ」で市場拡大か。競合並みの1999ドルに?

多根清史

Image:Wongsakorn 2468/Shutterstock.com

アップル初の折りたたみ式iPhone、通称「iPhone 18 Fold」の噂が増えるなか、アナリストが開始価格を1,999ドル(約30万円)と予測したことが報じられている。

米大手証券会社JPモルガンのアナリストであるサミク・チャタジー氏は、最新の市場調査をもとに、折りたたみ式iPhoneが2026年秋に「iPhone 18」シリーズの一部として発売されると予想している。その価格は従来の主流予測であった2,100~2,500ドルよりも大幅に安い1,999ドルだ。

チャタジー氏は、この折りたたみ式iPhoneの販売台数が2027年度内に1,000万台前半に達し、2029年までに4,000万台半ばまで拡大すると見込んでいる。

デザインについては、サムスンのGalaxy Z Foldシリーズに類似したブック型(内折り構造)で、内側に7.8インチ、外側に6.5インチのディスプレイを搭載すると予想されている。これはGalaxy Z Fold7の内側8インチ/外側6.5インチより若干小ぶりとなるが、他の情報源とも一致している。

最近数か月の報道では、iPhone 18 Foldの具体的な仕様も明らかになりつつある。著名アナリストのMing-Chi Kuo氏は、アップルが折りたたみスマートフォンに付きまとう画面の折り目をなくすために、Samsung Displayの新技術を採用すると述べている。これは専用の金属ヒンジを使って折り曲げ部分のストレスを分散・制御する技術で、サムスンの次期モデルであるGalaxy Z Fold8にも搭載予定とのことだ

価格面では、Galaxy Z Fold7と同じ1,999ドルという設定は、アップルの通常のブランドプレミアム路線からすると意外である。この比較的低価格な設定は、アップルが広範な調達ネットワークと大量発注の利点を活かし、競合他社よりも部品コストを削減することで実現されると見られている。

また、チャタジー氏による販売台数の見積もり(2027年度に1,000万台前半、2029年までに4,000万台半ば)は、2024年の世界折りたたみスマートフォン市場が2,400~2,500万台と予測されていることを踏まえると、非常に野心的な数値である。その達成には、競合と比較しての低価格が不可欠となるだろう。

一方で、アップルはiPhone 17シリーズの製造コスト削減のために、ディスプレイやカメラなどの部品メーカーと大幅な値下げ交渉を行っているという報道もある。しかし、トランプ政権による相互関税を完全に吸収できず、米国では標準モデル以外を50ドル値上げするというアナリストの予測も出ている。

果たしてiPhone 18 Foldは、折りたたみスマートフォン市場を一気に拡大するほどの競争力ある価格を実現できるのか、今後の情報に引き続き注目したい。

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