実は今年すでに7社を買収しています
アップル、AI投資を大幅拡大へ。クックCEO、AI企業のM&Aにも前向きと語る

アップルのティム・クックCEOは、他社に比べ遅れているとされる同社のAIへの投資を「大幅に拡大」する計画だと語り、そのためにはAI企業のM&A(Mergers and Acquisitions:合併または買収)にもオープンな姿勢であると述べている。
アップルが開いた2025年第3四半期の投資家向け決算説明会で、クックCEOは「我々は、AIが我々の人生における最も奥深いテクノロジーのひとつだと考えている。我々はAIをあらゆるデバイスやプラットフォーム、そして会社全体に組み込んでいる。AIへの投資もさらに大幅に拡大している」と述べ、「アップルは常に、最先端のテクノロジーを採用し、誰もが使いやすく、アクセスしやすいものにすることを目指してきた。それが私たちのAI戦略の中核だ」とした。
さらにAIへの取り組みのために「かなりの数の人員を再配置」しており、「我々は素晴らしいチームを擁しており、全力を注いでいる」と付け加えた。
これは、アップルがAI各社との競争に依然として追いつけていないと見られていることを受けての発言だ。Apple Intelligenceへの取り組みは競合他社に比べて遅れており、発表された機能のなかでも、いまだリリースされていないものがいくつかある。さらに先月には、Metaによって優秀なエンジニア数名が引き抜かれたとの報道もあった。
ただ、アップルは、開発の遅れを指摘する声に対しては「急ぐ必要はない」と主張している。そして単に先を行くためだけに、機能や製品をリリースするのは正しい選択ではないとした。もし、慌ててリリースした製品が期待どおりの機能を提供できていなければ、さらにユーザーを失望させることになる。
アップルは、今年後半にライブ翻訳機能やAIコーチング機能「Workout Buddy」といったAI機能を製品に追加する予定だ。一方でユーザー待望のSiriの強化は、今年3月の段階で2026年に持ち越されることが発表済みとなっている。ただし、クックCEOは今回の決算発表で、Siriのアップデートは「順調に開発が進んでいる」と述べた。
AIに関しては厳しい話も出たが、アップルの2026年第3四半期は利益も売上高も、ウォール街の予想を上回る好調な結果となっている。特にiPhoneの売り上げが前年比13%増(445億8000万ドル)となり、これが牽引する格好で、総収益も10%増となった。クックCEOは、増えた10%のうち約1%が、潜在的な関税を回避しようと、今のうちにiPhoneを買い替えた顧客によるもので、買い替えユーザーの間ではiPhone 15に比べてiPhone 16の人気が高いことも影響しているとの見方を示している。
ほかにもクックCEOは、AppleCare、サブスクコンテンツ、iCloudや、Googleとのライセンス契約も加え、いずれもが引き続き成長しており、App Storeは売上高がこの四半期だけで「2桁」もの成長を遂げたと述べた。CNBCは、今回の売上および収益増は、アップルにとって2021年12月以来最大の収益増加だと伝えている。
- Source: CNBC
- via: The Verge TechCrunch