「ただし米国のみ」もあり得そう
Epic Gamesが完全勝訴を宣言、まもなくFortniteがGoogle Playストアに復活か

Epic GamesとGoogleの訴訟は数年にわたり続いてきたが、2023年の評決(GoogleがAndroid向けPlayストアや決済システムにおいて「違法な独占」を行ったとする)が米連邦巡回控訴裁判所でも覆されず、確定した。これにより、Epic Games StoreアプリがGoogle Playストアで配信可能となった。
ことの発端は2020年、Epicが人気ゲーム『Fortnite』でGoogle Playストアの決済システムを回避する自社決済を導入したことだ。Googleは即日FortniteをPlayストアから削除し、Epicも同日、「Googleの行為は違法な独占である」として米連邦裁判所に提訴した。
2023年末の陪審員裁判にて、陪審はEpicの主張を全面的に認め、「Googleが違法な独占行為を行った」と評決を下した。2024年10月には、裁判所がGoogleに対して3年間の差止命令を発令。具体的には、他のアプリストアのPlayストア配信を認めること、開発者にPlayストアを優先させるための金銭的な便宜を図ることを禁じること、代替決済システムの情報提供義務などが盛り込まれた。
Googleは巡回控訴裁判所に不服を申し立てたものの、2024年7月31日(現地時間)に棄却され、Epicの勝訴が確定した。マーガレット・マッキーン判事は棄却の理由として、「裁判手続き、独占禁止法、差止命令の長期的な原則」を挙げている。
判決後、Epicのティム・スウィーニーCEOは直ちにX(旧Twitter)上で「完全な勝利だ」と宣言。これまでユーザーはEpic GamesストアアプリをPlayストア外からサイドローディングする必要があったが、今後はその必要がなくなる旨も述べている。
一方のGoogleは最高裁判所への上訴を主張。The Vergeのインタビューでは「この判決はユーザーの安全、選択肢、Androidエコシステムのイノベーションを損なう」と反論した。
しかし判決では、「Google自身の専門家もEpicのストアアプリが他のサードパーティアプリと同様の基準で対応可能であると認めた」と指摘。「差止命令はGoogleに他の既存アプリと同様の扱いを求めるだけだ」と述べている。そのため現時点では、Epic GamesストアアプリのPlayストアでの配信をGoogleが阻止するのは困難とみられる。
今後はEpic Gamesストアが正式にPlayストアで配信される道が開かれたことになる。この影響が米国だけでなく、日本をはじめとする他の国々や地域にも及ぶのか、引き続き注視していきたいところだ。
- Source: 9to5Google