移行はお早めに
Dropboxのパスワードマネージャーが10月28日で提供終了。1Passwordへの移行を推奨

7月29日、Dropboxは同サービスに含まれるパスワードマネージャー機能「Dropbox Passwords」を10月28日で終了すると発表した。Dropboxはコアサービスであるクラウドストレージとコラボレーション機能にリソースを集中していく考えだ。
Dropbox Passwords機能を使用するユーザーには、同様のサービスである「1Password」を移行先として推奨し、移行支援ツールを用意する。1Password以外のサービスへの移行を希望するユーザーに対しては、データをCSV形式でエクスポートする手順をヘルプページで案内している。
Dropbox Passwordsの終了までを時系列順に並べると、まず8月28日にDropbox Passwordsへの新規パスワードの登録ができなくなり、9月11日になると、モバイルアプリの使用ができなくなる。その後はウェブブラウザーの拡張機能経由で登録したパスワードを確認することは可能だが、10月28日をもってすべてのデータが「永久かつ安全に削除」される流れとなる。
なお、当然ながら移行期間中も、Dropboxはエンドツーエンドの暗号化とセキュリティ保護を維持し、パスワードの安全性を保つとのこと。ただし、CSV形式でエクスポートされたデータ(CSVは基本的に平文テキストのフォーマット)に関しては、ユーザーが自分でセキュリティ管理を徹底する必要がある。
また組織内でDropbox Passwordsを使用している場合は、管理者がDropbox Passwordsを使用し続けているユーザーを確認することはできるが、データの移行はユーザー各個人で行う必要がある点に注意が必要だ。
もしこれまで、パスワード管理をすべてDropbox Passwordsに任せていたのなら、いまから1か月後には新規登録ができなくなり、そこから2週間後にはモバイルアプリが停止、さらに1月半後にサービスそのものがなくなるということを念頭に、早い段階で他のパスワードマネージャーへの移行を実施することをおすすめする。
ちなみに、パスワードマネージャーを提供するサービスは非常に数多くあり、1Passwordはその代表格だが、他にもNortonやTrend Micro、Bitdefenderといったセキュリティツールに含まれるものや、NordVPNが提供する「NordPass」、パスワードマネージャーを主力とする「Keeper」、フリープランも用意する「LastPass」などがある。独自に移行先を考えるなら、自身が信頼できると思えるサービスを選ぶと良いだろう。
また、アップルは自社デバイス用にiCloudキーチェーンを提供しており、利用しているユーザーも多いはずだ。GoogleはAndroidやChromeブラウザー内に保存されたアカウントとパスワードを一括管理するGoogleパスワードマネージャーを提供している。
Google Chrome、Mozilla Firefox、Microsoft Edgeといった主要なウェブブラウザーには、標準でウェブサイトで使用したID(ユーザー名)とパスワードを管理するパスワードマネージャー機能が含まれているが、もしこのウェブブラウザーに誰か他人がアクセスすれば、そのままパスワードを利用されてしまうリスクがある。そのため、ユーザー個人以外も利用可能なPCでは、ブラウザー付属のパスワードマネージャーは使うべきではない。企業ユーザーの場合は、GMOトラスト・ログインやZoho Vaultなど、企業向けに設計された管理機能付きパスワードマネージャーアプリやサービスを使用しているケースも多く、その場合は管理者の指示に従うことになる。
- Source: Dropbox
- via: Cyber Press Cyber Insider The Verge