主な用途:特になし

約87万円のヒト型ロボット「R1」中国で発売。側転や逆立ち、シャドーボクシングも

Munenori Taniguchi

Image:Unitree Robotics

中国杭州を拠点とするUnitree Roboticsは、身長120cmほどのヒューマノイド(ヒト型ロボット)「R1」の一般販売を開始した。価格は5,900ドル(約87万円)で、これはオプションをいくつか装備した現行のMacBook Proよりも安価だと、一部では紹介されている。

UnitreeはR1を「スポーツのために作られた」と宣伝しており、SNSに投稿された動画のなかでは、側転や逆立ち、シャドーボクシングから回し蹴り、あたりを駆け回る様子が見られる。

ただ、運動神経が良いのはよく分かるのだが、一般家庭にこれを迎え入れたとき、一体何の役に立つのかがイマイチ見えてこない。掃除機をかけてくれるわけではなさそうだし、洗濯物を畳むといった作業はまず無理だろう。犬の散歩などを任せてみても、R1の体重が25kgと比較的軽量であるが故に、力の強い犬だったりすれば、逆にあたりを引きずり回されることになるかもしれない。

最も可能性があるのは、購入者がR1を使った格闘イベントに参加することだろうか。Unitreeは独自のロボット格闘イベントを企画しているとEngadgetなどは伝えており、ロボット格闘トーナメントに、ユーザーが思い思いのカスタマイズを施したR1を持ち込めば、映画『リアルスティール』とまでは行かずとも、盛り上がる試合が見られるかもしれない。

R1と同じように一般販売されるヒューマノイド製品としては、AIコミュニティサービスのHugging Faceが買収した仏Pollen Roboticsが、5月末に「HopeJR」と称するオープンソースのヒューマノイドを発表しており、価格は3,000ドル以下とされている。ただこちらは、紹介動画では自律動作ではなくオペレーターの動きをトレースするマスタースレーブ式で動いていた。

参考までに記しておくと、テスラのOptimusはまだ完成にはほど遠いものの、イーロン・マスク氏は今年1月の決算報告の場で、年間生産台数が100万台に達すれば、1体あたりの価格は2万ドル程度になると述べていた。

Unitree R1とPollen RoboticsのHopeJR、そしてテスラのOptimusは、それぞれ目指すところが異なる。だが、今後一般向けに販売されるヒューマノイドが増えれば、いずれは実用的な家事手伝いロボットも登場することになりそうだ。

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