Waymoは数年前から無人でサービスを提供しています

GoogleのWaymo、テキサスのサービスエリア拡大。テスラ・ロボタクシーの“アレの形”マップにデカさで勝る

Munenori Taniguchi

Image:Karolis Kavolelis/Shutterstock.com

イーロン・マスク氏はかつて、「持続可能な未来」を実現するために、排気ガスを放出しながら走る自動車をすべて太陽光エネルギーで充電した電気自動車に変えるとうたい、さらには人類が滅亡するまでに、人々を生きながらえるさせるために火星に100万人を入植すると宣言するなど、誰もが不可能だと思うミッションを「実現するかも」と期待させる人物だった。

だが現在のマスク氏は、巨万の富こそ手にしてはいるものの、ライバル企業を揶揄したり、Twitterを買収して大半の従業員を解雇したうえに名前をXに変更したSNSで、Grokに(NSFW要素ありのAI彼女的な)コンパニオンモードを公開するなど、その下品なノリのほうが目立ってしまっている。

そんなマスク氏が所有するテスラは数週間前、かなりの準備不足と思われる状況のなか、テキサス州オースティンで自動運転ロボタクシーによるサービスを開始した。そして今週には、そのサービス提供エリアを拡大するとして、新たなエリアマップを公開した。そのエリアの形状は主に北方向にまっすぐ伸び、5万人を超える学生が通うテキサス大学オースティン校までもエリアに収めるほどになった。

ただ、⁠誰もが注目したのはそこではなく、意図して男性器を模したとしか思えないそのエリアの形状だった。これは明らかに子供じみた下ネタであり、テスラのSNS担当者がどんな顔でこの画像を投稿したかを考えると同情するしかない。

主にテスラやSpaceXなどマスク氏関連の情報を扱うサイトであるTeslaratiも、こんなネタを提供する以前に、テスラ・ロボタクシーにはするべきことがたくさんあると指摘した。ただ、拡大したサービスエリアが、ライバルであるAlphabet(Google)のWaymoの同地域におけるサービスエリアの大半を覆うようになったとし、その広さは(xAIのGrokに問い合わせた答えでは)、Waymoの37平方マイルより5平方マイル広い42平方マイルになったと報じた

ところがそれからわずか数日しか経っていない7月17日、Waymoはオースティンにおけるサービス提供エリアの面積を約90平方マイルへと大幅に拡大したと発表した。さらに、Waymoは発表のなかで自らを「オースティンの誰もが24時間365日利用できる唯一の完全自動運転」サービスであるとアピール。さらにこのサービスにおいて「順番待ちや条件は一切ない」と強調した。

Image:Waymo

テスラ・ロボタクシーは現在も、不測の事態が発生したときにいつでもキルスイッチを押すための安全監視員が搭乗してサービスを提供しており実際に緊急停止した事例も初日から報告されている。また乗客としてサービスを利用できるのは、テスラが招待した株主やインフルエンサーなどに限られる。また運行時間は午前6時から深夜0時までに限定されている。

自動運転タクシーサービスを展開する上で、サービスエリアは重要な指標であることは間違いない。サービスを提供する企業は、顧客が多く、より魅力的な立地で密集したエリアをターゲットにする傾向があるが、急激な拡大を強行すれば、安全性の確保がおろそかになる可能性も高まる。

とはいえ、現時点での規模だけで言えば、Waymoのほうが優勢に立っている。Waymoはオースティンだけでなく、ロサンゼルス、サンフランシスコ、フェニックス、アトランタを含む5つの主要都市に1500台以上の車両を配備している。今週初めには、同社の完全な自動運転技術による走行距離1億マイルを達成したことも明らかにした。

テスラは、今年はじめに同社のEVがFSDオプションによって35億マイル以上を走行したと発表したが、これはドライバーが常にハンドルを握り、周囲を監視して走行しての結果だ。

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