性能よりも必要な機能と装着しやすさが大切

ByteDanceが独自の複合現実ゴーグルを開発中とのうわさ

Munenori Taniguchi

Image:Alex3dArtist/Shutterstock.com

TikTokの親会社ByteDanceが、複合現実(Mixed Reality:MR)ゴーグル製品の開発に取り組んでいると報じられている。

開発コードネームを「Swan」というこの製品は、Picoがこれまでに扱ってきたゴーグルやヘッドセットとはタイプが異なる。どうやら新製品は、ヘッドセットとスマートグラス(スマートメガネ)と呼ばれる製品の中間に位置するサイズ。既存の製品ならBigscreen Beyondと称するVRヘッドセットに近いものになりそうだ。

Image:Bigscreen

The Informationによると、この製品の製造はByteDanceの子会社Picoが行い、今後、Metaが発売するMR製品「Puffin」と競合する可能性が高いという。ByteDanceは2023年にPico VR部門の規模を縮小し、Pico Pro 5ヘッドセットの開発を中止している。ただ、ByreDanceはPicoをVRから完全に撤退させるのではなく、ユーザーが違和感を感じることなく、日常的に使えるウェアラブルデバイスの研究開発に軸足を移させた。

Swanはまだ試作段階だが、処理性能と電源容量を最適化するために、主要機能はポケットに入るサイズのプロセッシングユニットに収納されるという。また、⁠特殊なチップの採用により、物理的な動きとデジタル応答の遅延を最小限に抑えるとされる。

メガネ部分には、複合現実オーバーレイ用の高解像度パススルーカメラを搭載する可能性が高く、空間追跡と環境マッピングのためのセンサー類を備えるという。このような構成もやはりPuffinとよく似ている。

マニア層ではなく、一般的なユーザーにまでリーチするためには、かさばるうえに視界を完全に多ってしまうヘッドセット型の製品は不利だ。この分野の最近の製品は、サングラスとまでは行かないものの、より装着の簡単なタイプが増えているように思える。

もし、Swanがパフォーマンスや着けやすさ、操作のしやすさ、装着時の見た目などでうまくバランスを取ることができれば、ゲームやエンターテイメントコンテンツだけでなく、生産性アプリケーションやTikTokを含む⁠⁠ソーシャルインタラクションなどの利用において、複合現実テクノロジーに対する人々の考え方を変えるきっかけになるかもしれない。

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