刷新版Siriの開発が遅れているため
アップルの「iPad+HomePod」製品、2026年に延期確実か

アップルが開発中とされる新型スマートホームハブ(HomePodとiPadのような画面を組み合わせたデバイス)は、今年のアップル製品の主役になると見られていた。
しかし、その中核をなす刷新版Siriに不具合や遅れが生じた影響により、発売が2026年に延期されることはほぼ確実と報じられている。
アップルの未発表製品に詳しいBloombergのMark Gurman記者は、当初このスマートホームハブが2025年3月に登場すると繰り返し報じていた。だが実際には、製品は未だ登場せず、6月のWWDCでも一切の予告や言及がなかった。
Gurman氏の最新ニュースレターによれば、このデバイス(コードネーム「J490」)は、当初iOS 18.4で導入予定だった新しいSiri機能に大きく依存しているため、そのSiriの開発遅延にともない一旦は見送られたという。
さらにSiriの新機能自体も「2026年内のいずれか」に再延期されたことで、スマートホームハブの発売もソフトウェアの準備完了に合わせて遅れる見通しである。
この製品については、これまで何度も仕様が報じられており、以下のようにその構成はかなり具体的に明らかとなっている。
- 太めのベゼルを備えた7インチの正方形ディスプレイ
- 上部にカメラを搭載
- 充電式の内蔵バッテリー
- 新OS「homeOS」を採用
- FaceTimeのようなビデオ通話機能に対応
- 多くのアップル純正アプリが使用可能
- スタンバイ風の情報ダッシュボード
- スマートホームの制御が容易
- A18チップによりApple Intelligenceに対応
このスマートホームハブは、音声アシスタント「Siri」への依存度が非常に高く、とくにアプリの機能やデータをSiriやApple Intelligenceと連携させる「Apple Intents」の強化が鍵を握っているとみられる。この仕組みなしには、アプリや各種機能を正確に音声で制御することが困難であり、ハードウェアが完成しても製品として出荷できないという事情がある。
アップルは製品の品質と完成度に対して非常に高い基準を設けており、それを満たさない場合は発売を大幅に延期することもある。また、ワイヤレス充電マット「AirPower」のように、正式発表されたにもかかわらず最終的に発売が中止された例も存在する。
いずれにせよ、ハードウェアとソフトウェアの両面が揃った形での、スマートホームハブの正式な登場を期待したいところである。